内容説明
江戸城御用達の呉服商い・紀州屋の主が、小料理屋のおかみと心中したという。だが駆けつけた与力の藍澤は、その刺し傷の鮮やかさから、殺しではないかと疑いを抱く。事件は御用達の座をめぐる一大騒動へと発展し、徳川家慶もお忍びで探索に協力することに。そんななか、家慶に想いを寄せる町娘のお加久は、ついに彼の正体に気づいてしまう。切ない恋のゆくえやいかに―。若き次期将軍の冒険と成長をあたたかく描く人気シリーズ、いよいよ完結!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
昭和26年、東京都生まれ。國學院大学文学部卒業。平成2年、「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。以後、時代小説を次々と発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tatsuhito Matsuzaki
9
将軍家継嗣の徳川家慶がお忍びの身分で江戸の町で起こる事件に関わるシリーズ最終章。 物語の本筋には無関係ですが、私的には家慶よりも、父の将軍 家斉が好きです。 史実を予習していたので、結末は予期していましたが、その他の人間関係も含めて素敵に余韻を残した大団円でした。2021/06/05
高橋 (犬塚)裕道
7
星3。相変わらず大雑把で雑な文章であるが、今回は少し丁寧になったようにも思う。ラストはまぁ予想通りだが、どうせなら藍澤の登用も読んでみたかった。藍澤が中々良いキャラクターなんだよね。2023/04/01
アボガドみよ
2
とうとう最後の巻読み終えました。お加久の行儀作法の様子がちょっと知りたかったです。2017/09/08
Totchang
2
「若様見聞録」シリーズ第6巻にして最終巻。ここまで読んで、作者が全体像を描いて書いたのがよくわかります。「主人公が自ら動き出す」と言うような作家もおられますが、私は本編のようにしっかりした作りが好きです。これからしばらくは千野隆司氏をチェックします。2015/03/02
ひさか
2
2014年11月刊。6巻め。納得する大団円な完結で楽しめた。途中ハラハラドキドキ感もあり、最後は、家慶を取り巻く人達が幸せな様子で終われたのが良かった。2015/01/15