内容説明
直心影流第十代的伝・藤川弥司郎衛門の弟子にして師範代を務める剣客・峡虎蔵は、破天荒で無敵を誇る男。しかし、型破りな性分の夫に心休まらぬ日々を過ごしていた妻・志津は、ある日突然実家に戻ってしまい、一人息子の竜蔵も両親と離れ弥司郎衛門の下で内弟子として暮らしたいと言い出した。一家離散の危機にとまどう虎蔵は、一方で、羽州七万石の大名・若月家御用達の酒問屋“三好屋”の隠居甚右衛門の様子を気にしていた。若月家へ奉公に上がった甚右衛門の孫娘・美代が、変わり果てた姿で帰ってきたという…。「剣客太平記」の“剣にまっすぐに生きる男”峡竜蔵が、まだ幼き頃の物語。大好評シリーズ特別長篇。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。その後フリーとなり、テレビ時代劇の脚本を手掛け、現在も数多くの舞台作品にて脚本家・演出家として活躍する。2010年小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
117
剣客太平記 特別編 若き日の竜蔵の父虎蔵の物語、息子竜蔵さんより豪快ではあるが、しっかりと筋が通っていたんですね、人情があり人として、竜蔵の親として、志津の夫として、師範代としても良かったです。2015/01/05
ベルるるる
20
「剣客太平記」の主人公峡竜蔵の父親である峡虎蔵の話。「虎の巻」ってタイトルがいいね~!2019/03/18
ドナルド@灯れ松明の火
17
竜蔵の少年時代、今は亡き父虎蔵の武勇談。この親虎蔵にしてこの子竜蔵ありって感じだな。ほのぼのとした話になっていた。 お薦め さぁ新シリーズに参ろう。2020/07/26
ニッキー
14
親父殿がようやく実体を伴って登場。 「不惑」と、ようやく話が繋がった。 この巻を読んでなくて良かったか、読んでいれば、「不惑」は別の感慨で読むことになったか⁈ 虎蔵と志津の関係も良く分かった。2019/01/29
Totchang
11
これまで峡竜蔵の目を通してしか知りえなかった父虎造が主役。そもそも竜蔵の父母がどうして夫婦別れをしたのかが、とても好意的に描かれていました。また全編を通してご活躍の大名家姫君。これはもうたまりません。2018/12/10