内容説明
文化十三年閏八月三日、江戸の町を嵐が襲った。そんな中、八歳になる参吉は、酒飲みの父親・留吉の遅い帰りを待っていた。暴風によって長屋の屋根を吹っ飛ばされた参吉は、父親を捜す為、表通りへ出ることに。その時、抜刀した侍が駆け抜けるのに遭遇する。折しも雷によって侍の顔がはっきりと見え、参吉は殺しの現場を目撃してしまうのだった。一方、嵐の惨状を聞いた徳川家慶は、水害の様子を知る為に江戸市中の見回りに出る。そこで、参吉と出会い、一緒に父親を捜すことに。しかし家慶は、後を付けてくる不穏な気配に気が付いて…。大好評シリーズ、第四弾。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
昭和26年、東京都生まれ。國學院大学文学部卒業。平成2年、「夜の道行」で、第12回小説推理新人賞を受賞。以後、時代小説を次々と発表。常に新作が待望される作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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高橋 (犬塚)裕道
7
星2.5。相変わらず大雑把で雑な文章だ。話の展開が面白いので読めるが、正直な所この文章を読み続けるのは少々辛い。でもまあここまで読んだんだから続きも読まなくては!2023/03/27
Tatsuhito Matsuzaki
7
将軍家継嗣の徳川家慶が江戸の町で起こる事件を仲間たちとともに解決する爽快人情系時代小説。 性格容姿に優れ、不仲でも由緒正しい宮家からの正室がありながら、市井の女子に心ときめく家慶。今の時代だったら完全にネット炎上袋叩き状態ですね!? 歴史上では水戸藩主徳川斉昭に隠居謹慎を命じ斉昭の七男慶喜に一橋家を相続させたりと、水戸在住の私的には良い印象はなかったのですが、父であり将軍の家斉に認められない境遇の中でも天下万民のためになる政をしたいと願うこの若殿見聞録には、惹かれるものを感じます。2021/05/23
ぺしみち
2
すぶ濡れになって支柱直すとか、危険すぎて「やりすぎです」って止めに入りたかった。2017/12/02
テンプル
2
お忍びでの町歩きで、また宮大工とその子参吉と友達になりました。大水を防ぐために命がけで川の中にも入りました。そんな慶さんだからこそ、町の鐘の撞き初めに呼ばれました。町や人々を愛し始めた慶さんに刺客が襲いますが、そんな慶さんだからこそ、いろいろな味方があり、念願の植山を討つことができました。家慶、お加久の縁談も破談になりまだまだ素直になれない二人ですが、このじれったさも物語に楽しさを与えています。さらさらと読めるので、続きも読みたいと思います。2017/02/04
ひさか
1
4巻め。若殿をなきものにしようとする勢力とのせめぎ合いのなかで、江戸の人々を嵐から守るために手に汗握る活躍をするお話は、圧巻。次巻も楽しみです。2014/06/08