内容説明
大晦日の彦蕎麦は、朝から大わらわ。そんな中、岡っ引きの亀蔵親分の義妹・こうめのお腹が痛み始めた。どうやら陣痛が起きたらしい。一方、「立場茶屋おりき」の旅篭では、お正月の準備に余念がない。おりきは、あすなろ園の幼子にお年玉をと思い、下駄商の天狗屋を訪ねたが、女主人のみのりが今晩夜逃げをすると言う―(「嫁が君」より)。天命をまっとうする者、新たな命を授かる者…料理が美味しいと評判の立場茶屋おりきは、温かく人々を包み込む。深い感動の輪を広げる、書き下ろしシリーズ、待望の十七弾。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年、第2回中・近世文学大賞最終候補作となった『蘇鉄のひと玉蘊』を郁朋社より刊行。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
60
立場茶屋おりき「花かがり」17巻。望まれ祝福されて生がり、惜しまれて哀しい死もあり。おりきの家族だけでなく、おりきの生き方に共鳴する人々が、絆ができ、おりきの親戚やね。次巻は君影草どんな物語か楽しみです。2014/07/10
優希
50
出産と逝去を描くことで、「命」ということを考えさせられました。四季の移り変わりと人の世のめぐる様子があたたかく描かれていると思います。2022/01/06
Walhalla
37
『立場茶屋おりき』シリーズの17作目です。今回は、誕生と逝去にまつわる話がくっきりとしていました。季節は巡り、人の世も移り変わり、立場茶屋おりきもまた、少しずつ変化しながらその歴史を紡いでいくのですね。善助さんに続くように、およねさんも逝きました。そのおよねさんが好きだといった堅香子の花ですが、少し調べてみると、うつむき加減に咲く花の姿は、まるで人がお辞儀をしているようにも見えます。長年、立場茶屋に仕えたおよねさんの姿を現しているようですね。2020/08/11
はにこ
34
大晦日の八文字屋ではこうめの陣痛が始まり大わらわ。無事出産して良かった。それにしてもこうめっていつも口も態度も悪くて最悪。みずきちゃんが可哀想だわ。天狗屋みのりの夜逃げ、茶屋のメインメンバーも亡くなったりと今回もなかなか切なかった。前は茶屋であったと思うんだけど、今回も起こった店の金持ち逃げ女。前回同様、解決していないのだがこれで良いのか?いつか回収してくれるのかしら。。2021/11/12
ドナルド@灯れ松明の火
15
過去の経緯を書くようになってから正味の話が減少。それもいいが飛ばし読みが促されて2~3時間で読めてしまう。2020/09/28