内容説明
私塾・文武堂の不正を暴き、塾長であった笠原監物から逆恨みされた直心影流の剣客・峡竜蔵は、なおも送りこまれる刺客をその度ごとに討ち止めていた。しかしその襲撃の余波は、竜蔵と親しい大目付・佐原信濃守にまで及ぶことに。佐原からの密命を受け、笠原の息の根を止めるべく動き出した竜蔵は、一連の騒動の黒幕の正体に辿りつく。そして、黒幕の手下と思われる手代の一人が四谷に住んでいることを聞きつけた。動向を探るため、向かいの旅篭に身をひそめた竜蔵は、そこで働く薄幸の少年・雷太に出会って…(「第一話小さな弟子」より)。直心影流“峡派”の、絆と強さを魅せつける一大勝負!大好評シリーズ第八弾。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。その後フリーとなり、『水戸黄門』『必殺仕事人』『剣客商売』などのテレビ時代劇の脚本を手掛け、現在も数多くの舞台作品にて脚本家・演出家として活躍する。2010年小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
36
剣客太平記8巻「十番勝負」少しタイトルに違和感あり。 毎回峡竜蔵さんが剣客として人として成長していくのがいいね~、峡竜蔵さんを慕って門弟が増えるのも、ますます楽しみです。2013/12/07
ドナルド@灯れ松明の火
14
いよいよ笠原監物一派との闘いに決着が訪れる。しかし大目付も手勢を出し、まさに壮絶な総力戦だった。次は竜蔵の嫁とりだな。 お薦め2020/07/15
ニッキー
11
長い笠原監物との戦いにも、ようやく終止符が打たれる。 峡は、何人もの刺客と戦い、これを破り、友を作り、弟子が増え、自分の関係する者の防御を固め成長して行った。 次はまたもう一歩高みへの成長と嫁取りか。2018/12/18
Totchang
9
柳生宗矩が「兵法家伝書」で説いたのは「活人剣」で、本作品では「一殺多生の剣」と表現しています。意味するところは同じなのですが、映画になったこともありこちらの表現を使ったのでしょう。しかし「一殺多生」は戦前の右翼団体が政財界の要人の暗殺のために使った言葉でもあるので、使ってほしくありませんでした。それにしても10人もの相手と剣を交えるシーンの数々はすごすぎて、言葉に言い表すことができません。2018/12/07
chacha
8
シリーズ8。笠原監物からの逆恨みによる刺客が峽竜蔵にむけられて、今回は十人倒すことに。少年雷太との師弟関係がほのぼの。敵も引き込まれる竜蔵の豪快な性格に、ならば戦わずともと思うのに、そうはいかないのが武士らしい、、。お才に絢 どちらを、、。息子を亡くし後悔ばかりの 宮部を上手くたち直らせることができて良かった。2019/07/18