内容説明
江戸の町は、江戸大絵図に由来して、町奉行所支配の黒引内と関東郡代支配の朱引内とに二分されている。朱引内は、奉行所の目が届くことがない上に役人の駒不足もあり、まさに無法地帯。悪の温床と化していた。黒引内の御家人・片桐新九郎は、それを了としない奉行所から、隠密裏に朱引見廻役を命ぜられた。ある日、新九郎は“夜鴉”と名乗る黒装束の盗人一味が、残虐なやり口で連続強盗を働いていることを知る。かねてより悪名高いやくざ一家の調べにあたっていた新九郎は、その非道な手口から、“夜鴉”一味との繋がりを疑って―。朱の江戸にはびこる巨悪と闘う御家人の活躍を描く、書き下ろし時代長篇。
著者等紹介
吉田雄亮[ヨシダユウスケ]
1946年佐賀県生まれ。雑誌編集者を経てフリーライターに。ノンフィクション、コミック原作、実録小説を手がけ、映画化、テレビ化作品も多数。2002年「裏火盗罪科帖」シリーズで時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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