内容説明
冬を間近に控えた晩秋のある日、豊島町にある鼻緒問屋『和賀屋』から三十両が盗まれた。その金額から、江戸の町を賑わす盗人『ほたる火』の仕業ではないかと疑われた。だが、北町奉行所定町廻同心・井原伊十郎は、『ほたる火』との僅かな手口の違いを見つけ、偽者の仕業と気がつく。偽者の正体と三十両の行方は―。一方、伊十郎の縁談相手、百合に厄介な疑惑が生まれた。『ほたる火』の姿を見たという絵師の鳥海英才が、百合の顔を見るや、彼女を『ほたる火』だと言ったのだ。果たして百合が『ほたる火』なのか…。そして、独り身同心・井原伊十郎の縁談やいかに―。大好評シリーズ第四弾!!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
21
4作目ともなると少し展開に無理があるような?他のシリーズはスッキリなのに?おふじ、百合が絡む「ほたる火」の真相探索に、井原伊十郎の頭の切れのギャップが大きすぎ少し不自然さを感じる。2013/08/14
sken
5
自他共に認める短気です。なもんで、そろそろ堪忍袋の緒が切れ始めた音が聞こえてきそうです。この世ならぬ美貌の出戻り娘との結婚に憧れている主人公なんですが、事件に対してはワリと真摯に向き合います。でも……いくらなんでも振り回され過ぎやろ、許嫁に。なんか最初からず〜〜〜〜っと謎の女的に引っ張ってこられているのですが、そろそろ何か具体的な動きがないと、読む方としてはツラいっす。そういったワケで評価としてはかなり低いことになっております。2013/08/08
陽ちゃん
4
お役目はきっちりこなすけれども、女好きの伊十郎が、相変わらず許嫁のお百合さんに振り回されていますね。ただ、お百合さんもおふじさんも正体がよく分からないというか、最後でまた伊十郎が悩み始めちゃって、いつになったらすっきりするのやら。2018/01/13
nyanlay
4
今回も許嫁の百合に翻弄。それでもお役目はきっちりこなしているようで、早くまとまってくれれば、と。ただ登場人物が多くてこんがらがって大変。また伊十郎の中でおふじの存在ってどうなっているのかしら。2017/06/06
ソババッケ
2
シリーズ4作目。ほたる火の探索には新たな展開はない。今回の物語の構成に不自然さが目立った。半年前に殺されて埋められた女の遺体から、顔から黒子を確認したり、死因が絞殺だと判ったとなっている。傷みが少なかったと説明はあるものの、こんな信じられない論証はいかがなものか。また、殺人の下手人を証拠もなく他人に押し付ける話になっているが、この展開も理解しがたい。家人の中間が挟み箱を担いで、旦那の探索にのこのこと付き従っていくものなのか・・・、役所雇の中間ならわからないわけではないが。★2.82013/08/06