内容説明
指名手配犯に逃げ切られることは、全警察官にとって、もっとも恥ずべきこと―だが世の中には、罪を犯しながらも逃げ続け、時効を成立させる者もいる。そんな元指名手配容疑者が、自分を「逃げ切り犯」と称し、潜伏中の軌跡を綴った本をペンネームで出版した。彼を逮捕することはできないが、七倉愛子は犯罪者の行動・心理分析のため「逃げ切り犯」を追うことになって…。見当たり捜査班の面々がそれぞれの能力を最大限に生かして活躍する、書き下ろし警察小説。
著者等紹介
新津きよみ[ニイツキヨミ]
1957年長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行代理店、商社勤務を経て、88年に『両面テープのお嬢さん』にて小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
38
七倉愛子シリーズ…、読んだはずなのに記録が無い…って読んだ気になっていただけ? でも、何となく記憶はあるんだけど。これは遡って読まないと…特別捜査官って、「見当たり捜査」以外に、結構、色んなコトしてるのね。愛子と母、山彦ファームの理恵を絡めて描かれている部分は、とてもよい感じ。ひとつひとつの事件が絡まり合って…というのも、「逃げ切り」は許されない、というテーマも良いのだけど、何だか全体的にはごちゃごちゃ、っとしたイメージになってしまったのが勿体無いかな。続→2013/06/14
米太郎
23
・シリーズ2作目。あっさりした中で死刑制度、母娘問題など考えさせられることはたくさんあった。2023/12/03
あじ
21
シリーズ第二弾。すべての指名手配書の人相、生まれ、罪状のすべてを頭に叩き込んだ選ばれし先鋭たちが、雑踏の中で五感を研ぎ澄まし"逃げ切り"を阻止すべく活躍する警察もの。前作より専門性が薄れ、逆にサスペンス色が濃くなった。女性目線、母性本能を書くのが特徴の著者。主人公寄りに書く所を犯人側に向けて書くと、更に人間味が滲み出てコクのある仕上がりになると思う。シリーズの核が修正されつつも、軌道に向かっている手応えを感じた。2014/01/27
クキモン
18
シリーズ2作目とは知らず、初読みでした。指名手配犯を街中にでて見つけることが任務の警視庁捜査共助課。司法制度や死刑制度について色々考えさせられました。母と娘の微妙な関係も上手く表現しているところは、やはり女性作家さんならではだと思います。速水の過去が気になります。一作目も読みます。2023/11/27
シ也
16
警視庁捜査共助課見当たり捜査官のシリーズ2弾。前作より読みやすかった。今回は時効まで逃げ切った被疑者の書いた本が発売されたり被害者の家にお金が投函されたり菜食主義の団体が絡んだりと忙しい内容。少し詰め込みすぎた感があるけど最後にはすべてが繋がり納得。次作では同僚の速水の秘密が読者にも明かされそうなので楽しみ。食べ物と死刑の問題の部分は中々興味深かった2015/07/22