内容説明
服役中の男の告白―墨田区の不動産業者の強盗殺人事件は、意外なところから容疑者が浮かび上がった。監視中の容疑者・熊井を自らの失態で取り逃がした追跡捜査係の沖田大輝は、負傷した足を抱え、病室での捜査資料の見直しを余儀なくされる。一方、警視庁随一の分析能力を誇る西川大和は、いつもと違う容疑者の聞き込みに戸惑いを感じていた。そして、犯行現場に疑問を感じた沖田は、負傷をおして、捜査を強行するが―。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、『8年』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年から作家専業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
468
堂場さんの書く女性キャラには好き嫌い分かれる向きもあると思うが(笑)「さやか」は比較的好きである。ちょうど良い仕事への熱意と、現代っ娘らしい人あしらいの巧さ。肝心の本作、ちょっと殺人事件が地味メかな。いかにもありそうな事件ではあるが、東京でいちばんの強者は、つくづく不動産持ちだなぁと思った。堂場さんのシリーズものは、登場人物たちの成長を見守る楽しみもある。沖田はお世話になりっぱなしの響子さんと、華燭の典をあげる日は来るのか。そしてわたしにも買ってほしい(キャンバス地可)エルメスのオレンジ色バッグ。2020/03/30
ゆみねこ
86
追跡捜査係シリーズ第4弾。5年前の事件を追う沖田が足を骨折し松葉杖に。いつものパターンと逆に西川が現場を歩き、沖田は病床で書類を読みこむ。そして刑事総務課・大友鉄さんもチラリと登場。結局松葉杖でも沖田は外に出て大活躍、真犯人の身勝手さに呆れかえったという結末。5の「刑事の絆」は既読なので次は6を読みます。2017/03/25
Tsuyoshi
67
シリーズ第4弾。沖田の骨折によりいつもの役割がチェンジした沖田と西川。慣れない役割に戸惑う様子がいつもと違い新鮮だったし、入院により響子との距離もぐっと縮まりつつも結局結婚に対して足踏みしてしまう沖田の心境や、ヤキモキする面々の姿など今作でも楽しませてもらった。2018/10/20
とくけんちょ
59
今作ではお互いの立ち位置が逆になって操作が展開する。毎回、法知識やアイデア、引き出しの多さに驚かされる。でも今作の捕まえ方はちょいと強引かな。それを差し引いても、火サス並みの安定感。ちょっと例えが古いか2021/02/27
背古巣
59
この作品に関して道場さんは、真相が、読んでいる途中で解るのを避けようとせずに書かれているんだと思いました。何せ、この私にさえ、だいたいの見当がついたのですから…。冒頭、実行犯の心理描写から始まり、「変わった始まりかただな」と思っていたら、沖田が怪我をして入院ですって。道場さん、西川と沖田の役割を入れ換えて書こうとしているのでしょうか ?牛嶋と真琴はとんでもないですね。特に真琴…。弁護士なのに。面白かったです(^o^)。2020/11/10