内容説明
鳴りを潜めていた盗人『ほたる火』がまたもや出没し、北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は再度探索を始めた。伊十郎は以前『ほたる火』と対峙した際、足首に怪我を負わせていたが、時を同じくして出逢った音曲の師匠・おふじも同じ怪我をしていた事に気が付く。伊十郎は、おふじが『ほたる火』ではないかと疑い始めるが―。一方で、縁談相手の百合となかなか逢えない日々を過ごす伊十郎。ある日、彼の元に信じられない話が舞い込んでくる事に…。高貴な百合、妖艶なおふじ、二つの花の間で揺れ動く独り身同心が、市井で起こる難事件を追いかける!!大好評シリーズ第二弾。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanlay
6
シリーズ2作目。とりあえず前作の流れ通りで安定。ただ事件が二つ重なって、犯人探しが並行して行くので、頭がこんがらがってしまいます。登場する女たちがみんな何かを隠しているようで、疑心暗鬼ですね。2017/05/11
sken
5
なんか、主人公の許嫁? に対する尋常とは思えないほどのウジウジっぷりが、妙なところで人ごととは思えず、時代小説としては異色だとは思うのですが、案外それがツボだったりします。腕利きの同心のハズなんですが、やたらと女性の色香に迷わされて勝手に妄想・暴走するあたりも身につまされる思いでいたりします。そもそも作者さんが何をどのように描きたかったのかが今ひとつ分からない気もしますが、それはそれとして、案外面白いのではないかと思っております。時代小説というよりは婚カツ小説としても読めたり……するのかなぁ? 2013/04/04
Mayumi K
4
婚約者の百合と、妖艶なおふじの間で気持ちはフラフラしている主人公だが、仕事はするどい感覚と切れる頭脳で解決していく。なかなか人情深いところもあり、読んでいて面白い。 さてさて恋の行方は、、、。2014/12/11
はち
3
できる同心なのに、女に弱いところがおもしろいです。絶世の美女の百合と色気の多いおふじ。なんかどちらも怪しいです。2人で主人公をいたぶっているような?2015/04/20
FK
3
シリーズ第二作。楽しませてくれる。女性に弱い、というところが、この本の主たる読者と思われる中高年男性層に共感されるのだろう。もちろん仕事はきちんとやるという前提で。 2014/11/02