内容説明
岡本バレエスクールに通う一之瀬舞と戸田理佳子。性格も環境も正反対で、ほぼ同じ身長と中三という学年以外には共通点のないふたりの少女が、「海と真珠」のパートナーに指名された。「おそろいの真珠に見える子たちがいない年にはやらない」と校長が語る特別な演目を、彼女たちは、無事に発表会で踊ることができるのか?バレエに賭ける青春の日日を、母との葛藤やほのかな恋心を交えて描く書き下ろし長篇。
著者等紹介
梅田みか[ウメダミカ]
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。作家・梅田晴夫の長女として生まれ、幼少期より橘バレヱ学校にてクラシックバレエを学ぶ。大学卒業後、編集者、ラジオ番組の構成作家などを経て、作家・脚本家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アポロ
53
いっぱい泣いた!朝、生ピアノで受けるレッスンは最高!僕もバレエ大好きだったな!バレエ経験者からしたら読みながら踊りも浮かぶから面白いけど、バレエ分からなくても面白いのかな?2020/01/18
ぶんこ
51
アンソロジーから読みたくなった本です。 かなりの少女が憧れるであろうバレエの世界。 実際に始めてみると、柔軟性や芸術性、持って生まれたボディー等々、努力だけではどうしようも無い部分がありますね。 舞さんが、硬い股関節や、甲の薄さといったマイナス面を克服していく姿にウルウル。 そして理佳子さんは、全てに恵まれているように見えて、学校での孤立感、父親の専横と、14歳には過酷な悩みを抱えていました。 いっけん我儘で感じ悪い子と思えたのに、自分からは悪口や、人の不幸を笑わない素敵な子。 二人の母も素敵でした。2015/06/04
ひめありす@灯れ松明の火
37
海真はお手伝いに行ったかつての教室で中学生の二人が踊っていた。片っ方は上手なのにもじもじしてて、もう片方は堂々とした頑張り屋さんで、お喋りしてると全然別の子。だけど踊りだすと双子みたいに見分けがつかない。可愛い二粒の真珠はまるで舞と里佳子ちゃんみたい、と思い出しました。少女が一人の女性に成長する一夏の物語。母親との葛藤、淡い恋、憧れと諦め。子供だって、全部が全部がむしゃらな訳じゃない。ふっと、手を引く場面もある。橘バレエ団出身という事で、踊りの表現は秀逸。一緒に踊っているような気分で一冊楽しく読みました。2012/05/29
カピバラ
35
バレエの知識が皆無な私でも、とても楽しめました。最後、コンクールでうみしんを踊る場面で、グッときたなー。少女たちの新たな旅に幸多からんことを。2014/07/26
エドワード
32
一之瀬舞は町のバレエ教室に通う公立中学校の3年生。同じ教室に、お嬢様学校の戸田理佳子が転入して来る。天真爛漫な舞と、孤高でプライドの高い理佳子。バレエが大好きなことは一緒だ。発表会で「海と真珠」のパ・ド・トロワを踊ることになる二人。「うまいだけ」と評される理佳子は、一生懸命な舞に感化されて次第に心を開いていく。二人の母親や多くの大人たちに助けられながら、二人は舞台へ向けて難関を乗り越えていく。実に爽やかなバレエ小説、「離れていても相手といつもつながっている」「『海と真珠』は、ふたりでひとつ」いい言葉だね。2022/03/24
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