内容説明
「人には、それぞれ心に秘している想いがある」―北町奉行所の烏谷椋十郎が、日本橋は木原店にある一膳飯屋「塩梅屋」を訪れたのは、正月明けの四日であった。老中の命を受けて、料理競べをすることになり、季蔵に監視役を頼みたいという。城中への仕出し弁当の権益をめぐってきな臭い動きがあり、それを阻止するためらしい…(「大江戸料理競べ」より)。表題作ほか「新年福茶話」「ごちそう大根」「千両役者菓子」の全四話を収録。大ベストセラーシリーズ、待望の第十四弾。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマ「お入学」の原作『よい子できる子に明日はない』、『ママに捧げる殺人』などで注目される。ミステリー、ホラーの著作が多数ある。近年は時代小説を精力的に執筆。小説の他に、ハーブ関連書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mr.lupin
51
初読みの作家さん。シリーズ物とは知らずにこの作品第14弾とはちょっと驚きながら読了。表題にある江戸の料理競べを期待しつつ読んだが、残念ながら料理競べはほとんど堪能できなく、どちらかと言うと捕物的な話で終わった感じ。☆☆☆★★2018/09/13
Mark
28
料理競べ、それぞれの料理にとても心が惹かれる。しかしその参加者たちがバタバタと死んでしまう。相変わらずの展開でしたが、料理のお話は抜群。そして今を時めく歌舞伎役者春雷の生い立ち、それは哀しく切ない。そんな春雷のために季蔵が一肌脱ぐ。もう少し深みがあれば最高なお話なんですが、ページ数増やせないのでしょうか。2015/03/16
万葉語り
27
料理人季蔵捕物控14作目。季蔵は監視役で参加の料理くらべで、またも死人が出てしまう。歌舞伎役者の中村春雷は、違う筋の話だとばかり思っていたら、料理比べとつながっていてびっくりした。2015/02/11
かずよ
23
このシリーズには珍しくハッピーエンドで報われる話が多くて良かったです!2012/05/28
えみりん☆
22
今までとは少し違った方向へ進み始めた気もしますが、意外な裏の話が出て来たり、男と女は今も昔も変わらないのだと痛感いたしました。勝二さんがそこまで入り婿とは辛いものかと可哀想になりました。でも、嫁はもっと大変だったのですよね。一膳飯屋で愚痴ることも許されず、ただただ忍耐を強いられ堪える一生だったのですよね。今回の大根料理も美味しそうで食べてみたいです。2014/11/16