内容説明
北町奉行の烏谷椋十郎が一膳飯屋“塩梅屋”を訪ねて来た。離れで、下り鰹の刺身と塩焼きを堪能したが、実は主人の季蔵に話があったのだ…。「三十年前の呉服屋やまと屋一家皆殺しの一味だった松島屋から、事件にかかわる簪が盗まれた。骨董屋千住屋が疑わしい」という…。烏谷と季蔵は果たして“悪”を成敗できるのか!?全四篇を収録。松茸尽くしなど、秋の美味しい料理と市井の人びとの喜怒哀楽を鮮やかに描いた大人気シリーズ第九弾。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマ「お入学」の原作『よい子できる子に明日はない』などで注目される。ミステリー、ホラーの著作が多数ある。近年は時代小説を精力的に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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万葉語り
31
料理人季蔵捕物控9作目。瑠璃さんをめぐってのライバル出現か?と思ったのもつかの間、やはり烏谷様と季蔵は不動のコンビでした。戻り鰹と松茸がおいしそうで、でも高くて手が出ないから、瑠璃さんのお気に入りの焼き芋で手を打とうと思いました。蜆売りの豪助さんは今回もいいところで季蔵を助けてくれました。2014/11/29
Mark
28
瑠璃の病状もなかなか回復せず気をもむばかりですが、最後の黄翡翠芋はよかったですね。一方でおき玖の季蔵に対する想いもどうなっていくのか気がかりです。今回のお話では、光徳寺の住職安徳の語りが深かった。このシリーズやや物足りなさを感じるところもありますがそれも何か心にぽつんと残るものがあります。2015/03/02
はにこ
27
新しい仲間登場かと思ったら、そういう感じか。なかなか悪の大元に辿り着けないのがもどかしい。田端の旦那は女岡っ引きと上手くいっているようでなにより。松茸やら鰹やらとこの季節に読むのに相応しいお料理。脂がのった鰹、私は好きですよ。2022/10/04
ichi
23
【図書館本】シリーズ9巻目。今回は30年前の呉服屋やまと屋一家皆殺しの一味であった松島屋から事件にまつわるかんざしが盗まれた。という事件から殺人事件が勃発する。いつも通りに最後に一気に事件解決なるが、今回もせつない結末。料理は松茸尽くし!2015/09/14
えみりん☆
22
新しいお仲間登場かと思ったら不滅愛…なんとも切ない。松茸尽くしは庶民には手がでないのは今も変わらないけど、干し松茸や塩松茸は興味深い。下り鰹を菊花酒で頂くのは何とも優雅な趣があり、作ってみたい気がします。お武家様にはお武家様の内情があってなかなか大変な様子で、現代の会社勤めと変わらないのかも。2014/11/13