内容説明
桜が満開の十八歳の春、東京の大学に行った陽太との遠距離恋愛とともに、咲奈の浪人生活は始まった。予備校の友人・春子、享、賢吾らと、来春の大学生活を目指して受験勉強に励む日々。疎遠になる友人たちや、遠慮してメールも送らなくなる恋人に感じる寂しさ…。冬を乗り越えた先に恋人たちに訪れる春は、どんな色に彩られることになるの?真面目で恋に臆病だった頃の貴女を想いおこさせる、とっておきのラブストーリー。
著者等紹介
飯田雪子[イイダユキコ]
1969年静岡県生まれ。静岡大学教育学部美術科卒。94年『忘れないで―FORGET ME NOT―』で第1回ティーンズハート大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
161
桜の季節に桜のタイトルをついたのをと思い選んだのが、この作品。大学と予備校が背景ということで、おっさんには厳しいかなと思いましたが、なんのなんの甘酸っぱさもなく、しっかり純愛なる物語でして、不覚にも涙が流れました。恋愛において、真っ直ぐ進む者、臆病になる者、しっかり表現されて、感情移入して読めました。読んだ後はいつまでも仲良く幸せにと思えます。心が洗われる良作でした。2019/05/04
10$の恋
41
浪人の咲奈は予備校へ、現役合格の陽太は東京の大学へ。「頑張れよ」と御守りをくれた彼氏の陽太。ところが、その御守りを落としてしまい必死で探し出してくれた亨。気付かないうちに新しい感情が芽吹き始める。大学合否の厳しい結果の中で、男女の戸惑いが微妙に揺らめく。恋愛の機微、揺れ、変化、その感情が織り成す表現が心をくすぐり、じっくり読ませてもらった。恋愛って思い遣りと甘えのバランスで育つもの、それがチグハグになれば…。浪人時代の萎縮した恋愛、私にもチクリとする思い出がある。新しい恋愛の春。桜ほどふさわしい色はない。2021/03/27
ピロ麻呂
37
予備校生のピュアなラブストーリー☆甘さひかえめ爽やか炭酸水のよう。僕は甘くなくても酔える赤ワインの方が好きかも。ミステリーやホラーの後の口直しにどうぞ(^^)2019/06/12
小夜風
34
【所蔵】「ラストノート」の続編かと思ったら違うお話でした。でもどちらも表紙が素敵です。誰かを好きになること、そしてその「好き」という気持ちに気づけること、こんなにもキラキラと輝いていたかなと。これは十代のうちに読んでみたかったな。いつかこんな恋が出来たら良いなって思えていたあの頃に。2016/06/06
coco夏ko10角
31
今年の桜が咲いたということで。著者作品の中でもこれ結構好きかも。それぞれの立場からくる想いが必要なだけうまく描かれている。最後も温かい。2016/03/22