内容説明
静かで快適な生活をもとめて、新しい部屋に引っ越してきた吉川真昼。しかし彼女には人に言えない秘密があった…。常人ばなれした異常な聴覚。普通には絶対聞こえないはずの、日常の騒音―階下の部屋の電話で話す声や小さな物音―まで聞こえてしまうのだ。そして引っ越した矢先に、真昼は階上の住人にある疑念を抱く…その男は殺人者ではないか?人間の心の闇を聞かされてしまう真昼に、いままでにない恐怖が襲いかかる。
著者等紹介
明野照葉[アケノテルハ]
東京生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。98年『雨女』で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2000年『輪廻』(文藝春秋)で第7回松本清張賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
63
あまりにも日現実的な内容(あくまで私にとって)なので、入り込むのに時間がかかりました。全体を覆う、どよ〜んとした空気も好きになれなかった。でも実際には聴覚過敏、もしくは異常なくらいに第六感が働く人とかいるんでしょうね。これは、そういう人たちが出逢って恋愛(?)して、事件に巻き込まれたら・・・というストーリー。ふたりの苦悩はよく伝わってきましたが。ホラーと言うにはちっとも怖くないし、もちろん恋愛小説でもないし、私的には、微妙な立ち位置の小説でした。 2014/08/17
mr.lupin
31
明野照葉さんの著書、七冊目読了。吉川真昼は人には言えない秘密があった。それは異常な聴覚。普通には絶対に聞こえないはずの、日常の騒音や階下の電話で話す声や、小さな物音まで聞こえてしまうのだった。中盤辺りまでは、明野さんの作品らしくゾワゾワ感があったが、終盤に向かって何だか、知らないうちに何故か心の声まで聞こえるようになったのは、ちょっと飛躍し過ぎじゃないかな。面白かったけど、もう一盛りあると良かった感じ。⭐⭐⭐⭐★2025/05/12
そのぼん
21
特殊な能力を持った女性が主人公でした。 ジャンル的にはホラーに入るのでしょうが、心理的にゾクッとさせられる作品でした。 じわじわと込み上げるような恐怖感が漂っていました。2012/06/16
フロッグ
9
人間離れした聴覚を持つ女性の話。特異な体質のためにいろいろ悩んで苦しんできたのは同情できた。私は人並みに鈍感でいいや。2019/02/14
ぴんく
8
うわ。こんなはずでは!神経質すぎる人たちの座談会かと思った。そこそこ防音に優れるマンションで、上の部屋の人がギクっとする音が聞こえる人?現実的ではないなー。いつしかエスパーだらけのティータイムになってるし。結局京子、どこいったんだろ。いろいろモヤモヤよー(笑)また次の著作に期待するわね2019/07/11