出版社内容情報
元飯田町に新しく暖簾を揚げた「つる家」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の創作したはずの料理と全く同じものが「つる家」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第二弾!
1 ~ 4件/全4件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
1053
ああ、もう幸せ。筆者の手のひらの上でいいように転がされている気がするが、いやもう喜んで転がり続けたい。幸せの奔流がどっとどっとと流れ込んでくる。先を読みたくて冷静に感想を書いていられないな。読書メーターでもこれだけ多くの人が感想を寄せて夢中になるのも頷ける。お澪坊の作る料理、どこかの和風カフェで食べさせてくれないかしらん。ぜったい通うのに。2017/10/19
zero1
1006
女の強さが目立ったシリーズ第二弾。下足番にふきを加えた新しいつる家だが試練が山積。それを健気にも乗り越える澪。まさしく「身を尽くす」女。アイデア料理が登龍楼に真似される。店にスパイが?あさひ太夫(野江)のケガでは「涙は来ん、来ん」で涙。太一の病はおりょうの意地と人の情。胡瓜を食べない侍の謎。美緒VS澪の恋?この巻でのMVPは芳。敢闘賞はりう。二人とも経験から澪に厳しいアドバイスを送る。「食べる意味」を説く、りうの言葉には感心した。この後も澪には更なる試練が待っている。清右衛門も登場。再読なのに泣ける。2019/04/25
yoshida
932
みをつくし料理帖第二作。物語に大きな変動がある訳ではないですが、安定して読めます。短編を4編収録。特に「花散らしの雨 こぼれ梅」の澪と野江のやり取りが秀逸。お互いに苦難にあいながらも、泣かずに進もうとする二人の姿が印象的。二人の絆の確かさを感じました。他にも、親子の愛情や澪の淡い恋など暖かみのある内容。登場人物それぞれに様々な苦難降りかかる。そこから、周囲の助けもあり立ち直り乗り越えてゆく姿が、読者の感動を生むのだろう。次巻は新たな展開が予想され、今から楽しみな作品です。2016/01/06
扉のこちら側
824
初読。プロとして仕事をすること、生活を営むということ。両立が難しく後者がないがしろになりがちな私。食事も口に入ればなんでもよい、と興味がなかったが、自分で何かしら作ってみたいと思うようになってきた。2012/07/16
射手座の天使あきちゃん
821
高田さんて、涙腺のスイッチの在りかをよくご存じなんですね、しかも救いのない涙は少ないので安心!(笑) 親と子・幼なじみ・主人と奉公人、そして隣人への思いやりに溢れています。 それにしても「忍び瓜」美味しそう、今度チャレンジしてみようっと!!v(^_^)2011/01/05