内容説明
日本橋にある一膳飯屋“塩梅屋”で毎年恒例の“筍尽くし”料理が始まった日、見知らぬ浪人者がふらりと店に入ってきた。病妻のためにと“筍の田楽”を土産にいそいそと帰っていったが、次の日、怖い顔をして再びやってきた。浪人の態度に、季蔵たちは不審なものを感じるが…(第一話「想い筍」)。他に「早水無月」「鯛供養」「旅うなぎ」全四話を収録。美味しい料理に義理と人情が息づく大人気捕物帖シリーズ、待望の第五弾。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマ「お入学」の原作『よい子できる子に明日はない』、『ママに捧げる殺人』などで注目される。ミステリー、ホラー、時代小説などの作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
52
【料理人季蔵シリーズ5作目】シリーズを追うごとに面白くなってきた。今回はおき玖ちゃんの初恋の話が登場。料理では鯛がとても美味しそうだった。412019/02/04
はにこ
30
またもやポンポンと事件が起こる。短編なんだから一つ一つのエピソードを無理やりくっつけなくても良い気がするんだけどな。。旅うなぎ、初めて知った。うなぎが好きだから食べたくなったなぁ。おき玖の恋愛、こうなりそうだなぁって思ったのよねぇ。ちょっと臭わせすぎかもね。2021/10/18
万葉語り
28
筍と旅うなぎがおいしそうでしたが、鯛供養は現代の食品偽装が思い起こされた。おき玖ちゃんが季蔵を思い切って幸せになれると思ったのに、途中から怪しさがこれでもかというくらい漂っていて、最後にやっぱりという展開だった。見かけで選ばず本質を見極めることが大切だと思った。2014/09/20
ゆうゆうpanda
27
『旅うなぎ』というタイトルに惹かれて読んだ。物語の途中だったが、人物の説明があったので問題なく物語りに入って行けた。筍が美味しそうだった。江戸前の料理の参考として。2020/04/12
Mark
23
相変わらず料理については季節感にぴたりとはまり、江戸の風情が伝わってくる。季蔵、おき玖、三吉、常連の勝二、喜平、辰吉らのキャラクターが段々とはまってきていますが、やはりストーリー的には短編のせいかやや性急な感じがします。それでもこのシリーズ手にとってしまうんですよね。2015/02/24