内容説明
元禄十四年三月十四日。江戸城松之廊下にて、浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷沙汰を起こした事件の日以降、大石内蔵助と赤穂の者たちからは「平穏」の二文字は消え去ってしまった。浅野の御殿様の仇を討つべきか、それとも家族のため、愛する者のために生きるべきか…。大石内蔵助、奥田孫太夫をはじめとする赤穂浪士と呼ばれる男たち十二人の「誇り」と「友情」そして「愛」の溢れる、それぞれの物語。涙なしでは語れない“もうひとつの忠臣蔵”を描く時代長篇。
著者等紹介
井川香四郎[イカワコウシロウ]
1957年、愛媛県生まれ。中央大学卒。『露の五郎兵衛』で小説CLUB新人賞を受賞。以降時代小説を精力的に執筆し、脚本家としても活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
172
【再読】かなり前に読んだ時はどんな感想を思ったのだろう。誰に気持ちが寄り添えたのだったか・・新たな気持ちで読んだ。今回は奥田孫大夫重盛・菅谷半之丞政利・中村勘助正辰・倉橋伝助武幸が好み。有名どころの名前が無くとも本懐を遂げた四十七人だけじゃなく、行きつくまで、その後・・関わり合った大勢の人々のそれぞれの思いがあったのだ。史実だけでは見えない。いろんな思いが時を経て物語を産むのだなぁ。2019/02/24
Kira
6
図書館本。赤穂浪士十二人の、討ち入りに対するそれぞれの思いや葛藤、友情や愛憎などを描いた十二話からなる連作短編集。大石内蔵助や堀部安兵衛などの主だった人々以外で、あまり脚光を浴びることのなかった男たちに焦点をあてている。吉良邸に討ち入った赤穂浪士の数だけ人生の物語がそれぞれあるわけで、それ以外にも浪士たち の家族や友人、あるいは恋人の人生の物語もあるにちがいない。忠臣蔵の物語は読めば読むほど奥が深いし、涙なくしては読めないものもある。忠臣蔵は、これからも読みたいテーマのひとつ。 2021/02/15
m
4
ずっと読んでみたかった赤穂浪士の仇討ちの話。図書館でたまたま見つけたもので、一冊目からこういったアナザーストーリーのようなものを読んでいいのか迷ったが、事の次第は大体分かった。大石内蔵助は当初討入りに反対だったとは。赤穂浪士たちは吉良側に命を狙われたり、家族が犠牲になったり、仇討ちの難しさを知った。そこまで考えが及ばなかった。浅野内匠頭や吉良のこと、討入りの描写が少なかったので他の本で補いたい。今度泉岳寺にお線香あげに行こうかな。2015/11/25
茅渟釣迷人
0
古本購入2014/02/18