内容説明
祝言の賑わいが過ぎ去ったある日、政次としほの若夫婦は、仲人である松坂屋の松六の許へ挨拶廻りに出かけた。道中、日本橋付近に差し掛かった二人は、男女三人組みの掏摸を目撃する。政次の活躍により、掏摸を取り押さえたものの、しほは、現場から立ち去る老人に不審なものを感じていた。やがて、政次の捕まえた掏摸が、江戸に横行する掏摸集団の配下であることが判明。隠居然としていた宗五郎も政次とともに、頭目の捕縛に乗り出すが―。金座裏の面々が活躍する大好評書き下ろし時代長篇、待望の第十四弾。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。71年より74年末までスペインに滞在、闘牛社会を取材。以後、スペインをテーマにしたノンフィクション『闘牛士エル・コルドベス1969年の叛乱』『闘牛はなぜ殺されるか』、小説『ゲルニカに死す』を発表。1999年、初の時代小説『瑠璃の寺』(文庫化に際して『悲愁の剣』と改題)を発表後、次々と作品を執筆、時代小説の書き手として高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kau
20
政次としほの祝言も終わり、その後のある日、若夫婦は挨拶回りに出かけるが、日本橋付近でスリの一味を取り押さえる。それは、江戸で悪さをするスリ団の一味であった。。。宗五郎親分は、菊小僧(猫)を膝に載せて、隠居然とした生活をするようになりました。周りのものが、「まだ老け込むのは早い」と気を揉むのでありますが、宗五郎親分もまだまだ活躍されます。😊2020/12/01
KAZOO
11
あまりべたべたしないのがいいですね。やはり事件を主体にこの作者は考えているのが長続きをしているコツなのかもしれません。。大親分が隠居ジジイみたいな感じになるのですが、やはりまた活躍の場を与えてくれました。やめられません。2013/11/24
rokoroko
9
41で隠居ですか。そういえば村の渡しの船頭さんは今年60のおじいさんと言う歌があったな。生きる時間がいまより短かった話なのだな。2017/04/26
harhy
9
亮吉と同じ長屋のお菊さんが家族を救うため苦界に身を沈める覚悟。それを助けようと必死の亮吉、そしてそのため一肌脱いだ隠居然としたかに見えた宗五郎親分の働きぶりはさすが。別の話の菓子屋のおれきさんといい、若い女性の覚悟がすごい。2013/05/11
えびぃ
7
ダメです。まだまだダメです。親分なにを隠居然しちゃってるのですかっ!親分の活躍を楽しみにしている人間がここにいますから!だから空気の抜けた風船みたいにならないでください。2010/06/24