内容説明
化政文化華やかりし頃、瀬戸内の湊町・尾道で、花鳥風月を生涯描き続けた平田玉蘊。楚々とした美人で、一見儚げに見えながら、実は芯の強い蘇鉄のような女性。頼山陽と運命的に出会い、お互いに惹かれ合うが、添い遂げることは出来なかった…。激しい情熱を内に秘め、決して挫けることなく毅然と、自らの道を追い求めた玉蘊を、丹念にかつ鮮烈に描いた、気鋭の時代小説作家によるデビュー作、待望の文庫化。
著者等紹介
今井絵美子[イマイエミコ]
1945年、広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。98年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。03年「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雨巫女。@新潮部
8
《母‐図書館》しかし、女絵師は、しがらみ等で、好きな人とは、結ばれずなんだか切なかったなあ。2012/10/13
たーくん
7
化政文化華やかりし頃、瀬戸内の湊町・尾道で、花鳥風月を生涯描き続けた平田玉蘊。楚々とした美人で、一見儚げに見えながら、実は芯の強い蘇鉄のような女性。頼山陽と運命的に出会い、お互いに惹かれ合うが、添い遂げることは出来なかった…。激しい情熱を内に秘め、決して挫けることなく毅然と、自らの道を追い求めた玉蘊を、丹念にかつ鮮烈に描いた、デビュー作。 2019/12/19
舟華
3
女絵師平田玉薀が頼山陽と出会い…散々振り回され、果たしてこのふたりは身を結ぶのか…。この時代の女性は腹を決めたらとにかく一本強くたくましい。背負ってしまったものが多すぎたのだろうが、女性としての生き方が不器用だったのかもしれないな。なにもかもを腹におさめて抱えながらも守るものを守ろうとまっすぐに立つ玉薀は本当に美しい女性だったのだろう。なんだかタイトル通り、蘇鉄を思わせる女性であった。2020/10/28
沼田のに
1
金と結婚は目的でなくて幸福への手段と経過だ、と思いながら読んでた。しかしながら自分は当時結婚して毎日この女とやる事のみが頭にある獣じみた目的で結婚したのを思い出して、まさか主人紅の豊は或いは頼山陽が同じだったらぶち壊しだなと思った。幸いそんなことはなくて平田玉蘊の高尚な一代記であった。平田玉蘊のもう少し毒があったほうが面白かったかな5/102014/10/28
HAZ
1
彼女の絵を見た事がないのて、絵師しての腕の方はなんとも言えないけれど、女性としての生き方はなんと一途で不器用な人なんだろうと思った。2012/05/23