内容説明
「ふぐの代用になる美食はわたしの知るかぎりこの世にはない」。若いころ心ゆくまで食べたかった鮎の話、食材を最大限に活かす利用法、料理を載せる器について…。料理を心から楽しむために、料理の風情に重きを置き、料理を食する環境を大切にした稀代の美食家・北大路魯山人。食を語ることで美をも語り、さらには生の本質にまで迫る食の名エッセイ集。
目次
1 食味・食材(美食七十年の体験;材料か料理か ほか)
2 魚づくし(鮎の試食時代;鮎の名所 ほか)
3 料理ばなし(筆にも口にもつくす;料理芝居 ほか)
4 世界の味(欧米料理と日本;ハワイの食用蛙 ほか)
5 陶芸の道(料理と食器;古陶磁の価値 ほか)
著者等紹介
北大路魯山人[キタオオジロサンジン]
1883年生まれ、書画、篆刻、陶芸、漆芸という多岐にわたる芸術で秀でた足跡を残す。一方で料亭「星岡茶寮」を主宰、美食の道を探求する。1959年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yukiho Akechi
4
偶然本屋で見つけてしまった一冊。結構「今のだしはやりすぎ。昔はこのような感じだった」的な文章が多く、最初は「こちゃこちゃと五月蝿いじーさまだな。好き勝手に食べればいーじゃん」とか思ってしまいました(笑)。しかし、「刺身のお茶漬けは美味」とか、「雑煮の餅はマッチ箱ぐらいの大きさがよい」とか、この人が推奨するものがどれも美味しそうで、しかも美味しい鮎について16ページも割いて熱く語ってて、しまいには「かわいいなこのじーさま」とまで思えるように(笑)。あっさりとした、美味しい食べ物が食べたい人にオススメです。2014/09/14
S
1
「うまいものの極致は米なのである」食いしん坊万歳で読み始めた本ですが、哲学書と言っても過言ではありません。2014/02/02
megyumi
0
なるほど、海原雄山。それも初期のやつ2017/01/15
ティーティーウー
0
美味いと思ったものを自分で作る心がけが素敵2015/11/03
kyhitsuji
0
「魯山人の食卓」の続編。こっちを先に読んでしまった。 料理にうるさい頑固なお爺さんのエッセイ。 Ⅰ.食味・食材の章は今呼んでも参考になると思います。 例えば「赤い刺身は大根おろし醤油で食べる」「土鍋に昆布を敷いて湯豆腐」とかは実践してみたい^^ 没後50年以上経っているが「料理と食器は夫婦のようなものどちらも重要。料理と同じくらい食器や盛り付けにも拘らないといけない」という美意識にまだ日本人は追いついてないと思う。2015/06/14