内容説明
日本橋にある料理屋「塩梅屋」の使用人・季蔵が、刀を持つ手を包丁に替えてから五年が過ぎた。料理人としての腕も上がってきたそんなある日、主人の長次郎が大川端に浮かんだ。奉行所は自殺ですまそうとするが、それに納得しない季蔵と長次郎の娘・おき玖は、下手人を上げる決意をするが…。(「雛の鮨」)。主人の秘密が明らかにされる表題作他、江戸の四季を舞台に季蔵がさまざまな事件に立ち向かう全四篇。粋でいなせな捕物帖シリーズ、遂に登場。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマ「お入学」の原作『よい子できる子に明日はない』、『ママに捧げる殺人』などで注目される。ミステリー、ホラーの著作が多数ある。近年は時代小説にも力を入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小梅
107
元武士の料理人が主人公で、身近に起こる事件を解決していくシリーズ一作目。何故か時々、急展開してて「へっ?」ってなる。シリーズ物だから登場人物に深みが増していく事を願って読んでいこうと思います。2015/08/31
ゆみきーにゃ
85
シリーズ一作目。テンポが良くすっごく読みやすかった。熟柿、あたしは好きじゃない。季蔵の成長を追っていきたい。2020/05/12
のり
53
季蔵シリーズ第一段。訳ありで侍から料理人へ。「塩梅屋」の長次郎に拾われ新たな道で精進の中、師匠(おやっさん)が…しかも裏家業も明らかに。次々不思議な事件が発生するも役人やるきなし。余りのやるきなさに憤慨の中奉行と知り合う。これも曲者。おやっさんの娘おき玖や豪助と共に塩梅屋季蔵は理不尽な底無しの悪意に立ち向かう。続編がかなりあるので、ゆっくりと制覇目指し楽しみます。良いのに出会った。(*^^*)2016/05/10
た〜
53
捕物で料理物で人情話で・・・短編でやるには色々欲張って詰め込みすぎではなかろうか2014/08/27
ちえ
48
閉塞感に息が詰まる昨今、気軽に読める本を、と思って以前読んだ時代小説アンソロジー「なぞとき」つながりで選んだ本書。確かにすぐ読めたんだけどどうも微妙でした。元は武士、訳あって刀を捨て塩梅屋で働いている主人公。季節ごとの料理は美味しそうなんだけど、事件が女性が女性であるがゆえに酷い目に合う、という感じばかり、どうにも好きになれなかった。一編だけをたまに読むなら良かったのかな。二冊目迄手元にあるからそのうち読もうかと思うけど続けて読むことはないかな。2020/03/17