内容説明
私立探偵・畝原は、足許に突然縋りついてきた少女に驚きを隠せなかった。彼女は血塗れで、体中が傷ついていたのだ―。言葉も発することなく意識を失った少女。だが、収容先の病院で、少女を狙ったと思われる人物たちに、畝原の友人・姉川が連れ去られてしまう。何かを隠すような警察の捜査と少女の疵跡は、何を意味するのか。姉川を救うため、畝原は恐るべき犯人と対峙する。傑作長篇ハードボイルド。
著者等紹介
東直己[アズマナオミ]
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。土木作業員、ポスター貼り、タウン雑誌編集者などを経て、92年『探偵はバーにいる』で作家としてデビュー。2001年『残光』にて第54回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
189
東直己さんのハードボイルド、「畝原」シリーズにして最高峰の位置にもっとも近い作品だと思います。冒頭から最後まで、とにかくスピード感、そしてハラハラ&ドキドキ感がハンパないです。シリーズものなので、最初(前作)から読むにこしたコト はありませんが、今作から読み始めてもそんなに違和感はないと思います。「畝原」シリーズのターニングポイントともいえる今作での‘事件’は本当に強烈なインパクトを与え、最後がより強烈でした。映画化された「ススキノ探偵」シリーズもいいですが、個人的にはコチラをオススメしたいです。2013/06/01
ずっきん
78
畝原山シリーズ第一部終了といったところ。もー、多くは語らない。早く続きを読みたいから語る時間がない。とにかくトリハダ。抑えに抑えてきた朴訥キャラ畝原の、抑えきれずに吹き出す激情と怒りを体感せよ。このシリーズは人物造形が素晴らしい。ほんの通りすがりであっても強烈にキャラが立つ。そしてブレがない。だから夢中で読めるのだなあ。家族と犯罪。CJボックスのピケットシリーズに通じる面白さがある。翻訳の犯罪小説好きにもお薦めのエンタメスリラ。2022/04/24
hanchyan@理解はできないが否定もしない
33
今朝方、出勤前のちょっと余った時間で、つい、昨晩読み残してた最終章を読んじゃったのね。おかげで朝一からハナすするわ眼は赤いわ(笑)このご時世に(笑)それはともかく。あ〜。やー。やっぱ、すっっげーえぇ〜〜感動。もうね。一人でも多くの小説好きな方々に、本作のこの、溢れ迸る熱情と同時に滾々と止めどない哀切に満ちた、まるで、轟々と噴火する火口の傍らで地下から湧きいでた清流が流れるかのような、そんな奇跡のようなラストシーンを体験してほしいものだ。もう、ただそれだけ。2022/03/30
急いで突厥
20
畝原探偵シリーズ。 ススキノハーフボイルド、駆けてきた少女の顛末を描く。 ススキノハーフボイルドでススキノの頂点を極めた柏木のあっけない最後が憐れに思えた。2014/12/28
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
13
「私立探偵・畝原」シリーズ4作目。 実は、このシリーズは手付かずだったのです…。でも『ススキノ、ハーフボイルド』『駆けてきた少女』のキーマンで、イメージ“女郎蜘蛛”の女子高生・柏木香織のその後が描かれているので読んでみました。 相変わらず最後まで姿が見えず、不気味で理解不能な存在! そして、幼児虐待や畝原の大切な女性の拉致、道警腐敗の深さなど、重苦しい内容に打ちのめされました!! タイトルにこめられたものには、シリーズ順に読んだ方が感動できたね…残念☆ 2011/10/16
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