内容説明
町田康の美しく、危険なことばは、強い引力でもって軽やかに世界を変えていく…。第九回萩原朔太郎賞受賞作、待望の文庫化。未刊詩篇五篇も併録。
目次
土間の四十八滝(猿ぼんぼん;俺も小僧;飯屋が再び;言わぬが花でしょう ほか)
未刊詩篇(西洋清元。環境の拭き掃除;発狂する労務;四肢を切り落とす・仏師屋ぬすっと;言い訳 ほか)
著者等紹介
町田康[マチダコウ]
作家、歌手。1962年、大阪府生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を開始。81年、INUで「メシ喰うな」を発表。97年、処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を2000年『きれぎれ』で芥川賞を、01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞を、02年『権現の踊り子』で川端康成賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
78
頭、クラクラしてますの。空に人浮かび、目から口から硫黄を垂れ流しズンベラボー。 オノマトペが降りかかりあわわ。頭脳が蜘蛛の糸でぐるぐる巻き。笑いと恐怖の町田ワールド〜こうなったらもう町田病を徹底的に体感しようかしらん。やっぱり町田康はやめられない!2020/02/06
ペグ
71
再読。初読時よりも身近に感じられ。「国恥記念日」! 以前の詩達より小説の元になる様な作品が多い。手元に置いてあります。2020/04/20
さっとる◎
47
願うのはいつだって平和。でもなんか修羅だから。一歩世間に踏み出したらね、そこはもう修羅。弁当1つで誰もが我を主張し、高そうなおレストランの大仰な仕掛けを挟んでカップルの事実はまた爆発している。わたしのソウルは脆弱だからすぐ爆砕せらる。英気を養うのだと怠惰にまかせて落ちた眠りの夜の黒にはうっすら横縞な邪。光あれ、の光、であるなと一念発起して二万円で作りました、オッソブーコ。心まで廃油で汚れる前にね。そうやってどうにか回転していくのだ、二月が終わるね、もうそろそろなんにも感じない。横を気狂い共が昇天していく。2019/02/23
メタボン
33
☆☆☆★ 凶暴な言葉が紡ぐ不条理な世界、ところどころ笑かして。オノマトペや関西弁も秀逸。「惨たる鶴や」「古池や刹那的だな水の音、が」「四肢を切り落とす・仏師屋ぬすっと」が良かった。仏に酢を入れるという発想がぶっとんでいる。2021/10/19
Y2K☮
30
今月のポエム。ポエムなんて可愛らしいモンじゃない。内に渦巻く思念のダダ漏れ。無秩序っぽいギリ秩序。けど臭いものをついもう一度嗅ぎに行く様な説明フカなフックを具備。プロレスラー中邑真輔のクネクネする奇抜な動きを「気持ち悪い」と云いつつ「でも気が付くと又観たいと思ってる」ファンが多いらしいが、これもそれ。理屈ではない。だから伝えるのも創るのも難しい。中邑の言葉を借りるなら「他人がどうこうではなく自分の心地良さ」「感情を吐き出す」「おしっこ漏らしちゃう感覚(食事中の方スイマセン)」って事か。うむ。あるてぃすと。2018/11/05
-
- 和書
- どさんこのうた - 句集