内容説明
秦の始皇帝が樹立した統一政権は、僅か十数年で崩壊し、再び中国全土は、戦乱の闇に突入した。農家の末っ子として生まれた劉邦は天命を掴み、沛公となり挙兵した。一方、戦国・楚の将軍家の血筋をひく項羽は、叔父の項梁とともに呉で兵を挙げた。両雄の長く激しい闘いの幕が上がる…。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山生まれ。東北大学法学部卒業。『深重の海』(直木賞)『夢のまた夢』(吉川英治文学賞)など著書多数。抜刀術五段。平成9年紫授褒章受章
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感想・レビュー
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kenya
1
この作者の本を読んだことは無かったが、項羽と劉邦(史記)は高校時代の漢文の授業から陳舜臣や司馬遼太郎でお馴染みの題材なので、軽い気持ちで読んでみた。しかしこれまで読んだどの小説に比べても、ひたすら淡々と、登場人物の「ドラマ創作」を抑え気味に、やや硬い印象に書き綴っており、まるで史記そのものを読んでいるかのようでちょっと驚いた。秦の崩壊、漢の成立後も、ごく短期間に毎年のように次々に諸将が連合し裏切り殺し合い続ける様は「安定した国家」といった近代の概念がありえなかった時代の凄みを感じる。2015/01/31
たけひろ
0
☆☆☆2013/11/16