出版社内容情報
「百万の軍勢を率いさせたい」 天下人豊臣秀吉にそう言わしめた男、大谷刑部。
敦賀五万石の小領主は、なぜ天下分け目の大戦を起こせたのか。
どんな思いで関ケ原の戦場に立ったのか。
生い立ち、病との闘い、父なる主君、友との出会いと訣別、家臣・家族との絆、そして、最強の敵への挑戦。
謎につつまれた名将の渾身の生き様を、新視点で描く。
これは運命から逃げず、命を燃やし尽くし伝説となった男の物語。
内容説明
「百万の軍勢を率いさせたい」天下人豊臣秀吉にそう言わしめた勇将、大谷刑部。敦賀五万石の小領主は、なぜ天下分け目の大戦を起こせたのか。いかなる思いで関ヶ原の戦場に立ったのか。生い立ち、病との闘い、父なる主君、友との出会いと訣別、家臣・家族との絆、そして、最強の敵への挑戦。謎につつまれた名将の渾身の生き様を、斬新な切り口で描く。
著者等紹介
佐々木功[ササキコウ]
大分県大分市出身。早稲田大学第一文学部卒。第9回角川春樹小説賞を『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』にて受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポチ
42
豊臣家への忠義というより自分自身の生き方を貫いた漢。関ヶ原での姿には感動しかない。その生き様はしっかりと息子に伝わってますね。2024/10/05
fuku3
28
2024.6.27読了。大谷刑部の一代記だと思い読み始めた。幼少期は無く唐入りから秀吉の死後、関ヶ原までに吉継が家康とどの様に渡り合ったか、吉継の息子大学と吉継の娘婿真田信繁が語る。小姓時代からの盟友石田三成と切っても切れない縁で結び付いた二人。三成は馬鹿正直で愚直すぎ己れの正義を振り翳す。そんな三成を影から支えて、三成を諌める。全く空気の読めない三成を最後まで見捨てず、己れの矜持を貫き関ヶ原に望む。吉継も三成と同様にまだまだ青い。家康の凄さに圧倒される。何もかも全てが家康の掌で吉継は踊らされていた。2024/06/27
PAO
17
「天下は万民のもの、誰のものでもない。天下に安寧をもたらし、世に繁栄を生む者こそ天下人」…いまお山の大将の座を争っている各氏にこの言葉を突きつけたいですね…!病を抱えながら関ケ原で壮絶な死を遂げた大谷刑部吉継は悲劇の名将だと認識していましたがそこに至るまで足跡は殆ど知らず、太閤の死後の七将事件、光成の引退、宇喜多騒動、島津の乱…といった事件で家康と豊臣家との間に立ち収拾に努めたことはこの本で初めて知りました。家康の深謀に利用された形とはなりましたが天下安寧を願う吉継の生き様を見事に描いた作品だと思います。2024/09/15
えつ
15
大谷刑部を描いた話は初めて読んだ。正直、今まであまり気にしたこともなかった人物。なので、とても新鮮で最初から最後まで面白く読めた。「百万の軍勢を率いさせたい」と豊臣秀吉に言わせるのは本当にすごいことだと思うし、関ヶ原の戦いで石田三成にあそこまでスポットが当たらないのもすごい。関ヶ原=三成って感じだったから本当に新鮮!!! 実際は知らないけど、物語の中だと人柄も良くて、娘婿の真田幸村とも良い関係だったのも良かった。 佐々木さんはまだ3作目。他の作品も読んでみよう。2024/08/23
茶幸才斎
8
紀州九度山に幽閉され失意の日々を送る真田左衛門佐信繁のもとを、ある人物が訪ねる。彼が携えていたのは、信繁の舅である大谷刑部少輔吉継が残した手記。そこには、太閤秀吉に見出され、石田治部少輔三成を盟友として豊臣政権を支えた吉継が、秀吉亡き後、天下の簒奪に動く内府徳川家康に抗し豊家存続に奔走した末、遂に三成とともに関ヶ原で家康との決戦に挑むまでの経緯が、自身の心情とともに綴られていた。佐々木功は会話文がいい。敵方とのひりつく腹の探り合い。主君と家臣の間の情の通ったやりとり。盟友同士の阿吽の掛け合い。爽快である。2024/06/18