出版社内容情報
昭和、平成、令和の三時代を通して第一線で活躍を続ける国民的詩人・谷川俊太郎。
代表詩「二十億光年の孤独」「生きる」「朝のリレー」「生まれたよ ぼく」「さよならは仮のことば」など、
言葉にならないものを言葉にして、詩のよろこびと感動を与えてくれる詩人の、最新自選詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
103
角川<にほんの詩集>の一冊。1949年の初期詩篇から、ポピュラーな詩「二十億光年の孤独」や、大好きな詩集『あたしとあなた』から4篇、未刊詩篇、『みみをすます』より「ぼく」と「あなた」まで。巻末エッセイは覚和歌子。本文イラストは西淑。詩集は何度も読む。思わず手をのばしたくなるシンプルな装幀とサイズ感が大事。「ある女の子の言い分」浅間山での女の子のつぶやきが好き。“わたしもここにくるとむくちになる。とかいではことばがないとふあんだけれど・・だってせかいはにんげんがつくる<いみ>でできているわけじゃないから”2022/06/15
ねこ
89
別の本で谷崎俊太郎さんの詩集「朝のリレー」が引用されていて他の詩も読みたくなったので読みました。「僕と神様」「さよならは仮のことばーー少年12」「おに」「んまふらぶ」「ぼく」「あなた」の6篇が特に刺さりました。こんな短い文字で記憶の底をまさぐったり、なにか不思議な余韻を残したり、詩って凄いなぁ。いや、谷崎さんが凄いのか?そして改めて読む「朝のリレー」。カムチャッカの若者が、きりんの夢を見ているとき…うん、清々しくて状況のイメージがすぐ目の前に見えるよう。同じ時の流れの中で空間を超えてリレーするって素敵だ。2025/06/01
きみたけ
60
先日亡くなった谷川俊太郎さんを偲んでパート2。「二十億光年の孤独」は教科書に載っていた詩なので、とても懐かしい感じでした。近年に掲載した詩がとても新鮮な感覚で突き刺さりました。今思うと、谷川俊太郎の詩には宇宙に想いを馳せているものが多い気がして、理系ロマンチストの香りがしました。先日演奏会で歌った「生きる」が、自身にとって一番思い入れのある詩です。2024/12/08
那由多
22
〈朝〉〈僕と神様〉〈かっぱ〉〈いるか〉〈朝のリレー〉〈夕焼け〉〈母の日〉〈ぼく〉が特に心に残った。巻末の谷川さんエピソードも良かった。2022/06/24
雲國斎
19
谷川先生の最新自選詩集。初期詩篇中の詩は、情けないことに???な作品ばかりでしたが、教科書でおなじみの「生きる」「いるか」「朝のリレー」などいつ読んでも楽しい。「はにかむ」「おとなしいおに」「母の日」なども好きだな。氏には小中の教科書に掲載された詩が多数ある。おそらく日本人の半数以上は一度は谷川さんの詩にふれているってことだ。すごいな。そういえば歌手の中島みゆきさんの卒論も確か谷川論だったなぁ。2022/05/18