出版社内容情報
吉川元春に拾われ馬術を見出された少年・小六。
尼子再興を願う猛将・山中幸盛(鹿之助)。
ともに戦火で愛する人を失った二人の譲れぬ思いが、戦場でぶつかる――!
第13回角川春樹小説賞 受賞作品!選考委員満場一致の感動歴史エンターテインメント!
堂々たる風格、それでいて清冽で瑞々しい表現。この新人の誕生を見逃すな!
内容説明
吉川元春に拾われ馬術を見出された少年・小六。尼子再興を願う猛将・山中幸盛(鹿之助)。ともに戦火で愛する人を失った二人の譲れぬ思いが、戦場でぶつかる―!第13回角川春樹小説賞受賞作。
著者等紹介
稲田幸久[イナダユキヒサ]
1983年広島県広島市生まれ。大阪教育大学大学院修了。広島県安芸高田市職員として勤務後、退職。フリーランスでチラシ作成等を行う傍ら、執筆。第13回角川春樹小説賞受賞作品の『駆ける―少年騎馬遊撃隊』でデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
187
毛利軍VS尼子再興軍の月山富田城の戦いの物語。いや吉川元春VS山中幸盛というべきか。元春に見出された少年の小六。馬術の才は天賦のもの。その小六こそ主人公のはずだが、視点転換、場面転換の切り替わりの激しさに誰が主人公かわからなくなるが、戦いのシーンは見事。毛利軍はもちろん尼子再興軍もあっぱれだ。戦国の世に放り込まれた小六。小六の成長をみたい。すぐに続編を読もうと思う。北方謙三の水滸伝を彷彿させる面白さ。北方謙三の後継者はこの作家なのか。とんでもない作家が現れたものだ。2023/01/31
hiace9000
115
角川春樹賞受賞作。選者角川氏の「北方謙三の小説を連想させる」との談。読中「あれ?この既視感(既読感?)作者北方さんだったっけ?」くらいに場面描写や転換・視点切り替えは、まさに北方歴史小説の雰囲気を彷彿。凄惨な戦場の描写以上に、“そこに向かう男たちの、燃え高まる『魂のうねり』の熱い描き上げ”が共通する部分なのかもーと。戦火で愛する人を失いつつも更賜寿命し、将・主君に惚れ抜き、命を賭して事を成し遂げんと戦で命を散らしていった武士達の壮絶なまでの生き様。「平安とは先に望みを抱き進むこと」の一文は、今ゆえに重い。2023/01/21
nico🐬波待ち中
83
戦国時代の出雲を舞台にした物語。出雲を侵略した毛利軍と、毛利軍から出雲を奪還しようとする尼子再興軍との戦い。そんな武士たちの戦に一人の少年が巻き込まれていく。毛利軍の吉川元春に馬術の腕を買われた小六は、騎馬隊を率いて戦場を駆け巡り尼子再興軍をかき乱す。幼い頃から馬と共に生き、馬の気持ちを誰よりも理解する純粋無垢な小六。けれどこの先、小六が大人たちの血みどろの戦にどんどん巻き込まれていきそうで、それを見るのが辛い。毛利軍VS尼子再興軍。どちらの登場人物も魅力的で、どちらを応援したら良いのか分からなくなった。2022/08/10
たいぱぱ
80
「月山富田城(がっさんとだじょう)」もう響きがかっこいい!跡地になった今でも難攻不落を思わせる凄い形が好きです。そんな月山富田城をめぐる尼子毛利の布部山の戦いを吉川元春、山中鹿之介両サイドから描いた稲田幸久さんのデビュー作。殲滅された村の唯一の生き残り小六が組織する騎馬遊撃隊は物語の名シーンのひとつであり、小六の愛馬・風花、吉川元春、横道政光、秋上宗信そして「我に七難八苦を与えたまえ」と天叫ぶ山中鹿之介のかっこよさが胸を熱くさせます。双方の正義や大義、個人的信念や執念。戦国時代を生き抜くには貫くしかない。2022/09/18
nyaoko
70
地元の本屋大賞受賞作。今村さんのサイン会で作者さんにも会いました。とても柔和な方で、筆力は力強い時代小説でそのギャップがまた面白かったです。尼子と毛利、中国地方の名武将達の戦は見所のあるシーンが多く、ドキドキしながらその情景を想像しました。戦で家族も友も村も失った1人の少年小六が、毛利軍の騎馬遊撃隊として成長していく姿も良いのですが、恐らく殆どのかたが尼子家臣の山中鹿之助に魅せられたかと思います。w主役のこの本、完全に鹿之助の方に旗が上がってました。さて、続刊では小六はどれだけ活躍するのか?2022/06/06
-
- 和書
- マコの宝物