内容説明
許されぬ恋、王位継承の争い…激動の時代をみずみずしく描く、書き下ろし長篇小説!
著者等紹介
周防柳[スオウヤナギ]
1964年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者、ライターを経て、『八月の青い蝶』で第26回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作は第五回広島本大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
202
「本の雑誌」2017年上半期エンターテインメント・ベスト10第1位ということで図書館に予約し、大幅に出遅れてようやく読めました。出版されてから1年以上経過しているので、新刊ハンターとして失格です。周防柳、初読です。古の伝奇浪漫、『蘇我入鹿の娘、古事記を編む』と言った感じでした。1300年以上昔の物語ですが、古臭さはなく爽やかな読後感です。2018/03/13
巨峰
106
乙巳の変から壬申の乱への歴史と社会を背景に渡来人である船氏の兄妹ヤマドリとコダマの成長を古事記の成立と絡めて描いた歴史小説。始めは違和感があったが、小説の地の文と、神話を語る文脈とが徐々に共鳴して大きく鳴り響く。難しい試みを見事に成功させた秀作だと思います。そしてこの国の神話のいいところを改めて認識できたのも良かったと思う。2018/09/17
nico🐬波待ち中
97
飛鳥時代の朝廷を取り巻く物語。蘇我入鹿に中大兄皇子、中臣鎌足。人物名はなんとなく覚えてはいるけれどそれぞれの関係性はあまり知らなかった、という程度の知識で読了。みなさん、裏で密かにこんな血みどろの駆け引きを繰り広げていたなんて。名声を得るためなら兄弟、親子、親戚なんて関係ない。騙し騙され呪い呪われ…、と映画を観ているような展開でワクワクした。各章に挟まれる神話も、物語と巧くリンクされていて面白い。兄妹の許されぬ恋なんて、なんとも雅で素敵。現代ならあり得ない設定もこの時代だからこそ。優雅な気分を楽しめた。2022/01/26
モルク
95
大化の改新(今は乙巳の変というらしいが、私にはやはりこちら)から壬申の乱あたりまでの話が古事記をはさみながら展開される。蘇我入鹿の忘れ形見の女児を助ける百済からの渡来人である船一族。そこで女児はコダマと名付けられ船一族の二人の兄とともに育つが幼い頃盲目となる。彼女と小兄ヤマドリとの恋を軸に、政争まみえる波乱の時代を描く。20年ほど前にこの時代の本にはまり読みまくった。大海皇子、そして大好きな大津皇子も少しだけ登場し再会、やっぱりいいわぁ!2018/04/12
katsubek
75
歴史をひもときつつ読む楽しみを与えてくれる。学生時代、必ずしも歴史は得意ではなかった。いや、むしろ苦手意識を持っていた。覚えねばならないという思い込みが先行し、楽しいと思えなかったのだろう。ところが、こういった物語として接すると、登場人物の、話に出てこない事柄まで調べている我が身に驚く。勿論、当時と今とでは調べるということの手間は大違い。手軽に調べられる環境に感謝、である。2019/01/25
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