内容説明
見た目はそっくりながら性格は対照的な双子―エースピッチャーの青山康一とセンターの健一を擁する神別高校野球部は、北北海道大会を勝ち抜きいよいよ甲子園へ!彼らの不思議な強さの「秘密」と、優勝を目指す特別な「理由」を知る前橋絵里は、全国紙のスポーツ記者。彼女の前に、神別高校の監督・田村と高校時代にチームメイトだったフリーのスポーツライター・塩崎が現われ、神別高校の周囲をしつこいくらいにかぎ回りはじめる。塩崎は、田村との間に因縁があるらしい。絵里は、危険なネタを得意とするルポライター・西島などの応援を得て、なんとか神別高校ナインを守ろうとするが…。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。第29回メフィスト賞を受賞した『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
131
前作が面白すぎたので、イッキに続編へ突入です。流れは完全に前作をしっかり受け継ぎ、リズムは悪くないのですが、スポーツ描写の部分と‘ミステリー’描写の対比が自分にはギクシャクしているように感じました。どっちかにしてくれと思う場面も・・・。スポ根ならスポ根、ミステリーならミステリーでと軸をしっかりして書いてくれても良かったかなぁという気がしなくもなかったです。面白いのは面白いのですが、果たして何に、誰にスポットをあててる(あてたい)のかブレてる感じでした。前作が盛り上がっただけにちょっと残念な気がしました。2014/06/11
紫 綺
129
スタンダップダブルの続編。八百長絡みの高校野球賭博をバックに、特殊な事情や能力を持つ北海道の高校球児たちの物語。どうなることやら、と先が気になる展開が面白かった。さすが小路さん♪2014/05/24
けい
112
いよいよ甲子園の舞台へ。彼らの目指すものは優勝。そして優勝を決めたマウンドで<そよ風学園>の旗を広げ、全国に散らばった仲間を勇気づけること。裏事情の大人達の出来事の下りはさておき、決して傑出した存在ではないチームが、苦戦しながらも成長し強豪校と戦っていく姿は面白かった。小路さん描く野球面白い。気分よく読了できました。2014/05/07
myunclek
93
前作が消化不良な終わり方だったので、この甲子園ステージが断然面白かった。ミステリータッチな大人の思惑と、白球を追う子供たちの純粋な心。二本立てのストーリー展開を見せらるようで、目が離せなくなってしまった。心に響く結末にはジンワリでした。でも、最終最後のExtra-Inning3は蛇足だったような(^○^)2016/08/30
七色一味
78
読破。前作では、「高校野球」小説と捉えていたせいで、登場人物たちの「汗」が感じられない! といったレビューになってしまっていましたが…。まぁ、今回も「汗」とか「泥臭い」といったものとはかけ離れた感じはしてますが、どうもこの作品、狙いは別にあるのでは?と遅まきながら感じまして(笑) 現実感はありませんが、このステージは、誰もがその役どころにピタリとハマった感があって、なかなか良かったです。2014/05/29