内容説明
弱小だった神別高校野球部が、北海道の旭川支部予選を勝ち抜いていく―。彼らの不思議な強さの「秘密」に興味を持った全国紙スポーツ記者の前橋絵里は、やがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知ることになる。その「秘密」と「理由」の中心には、見た目はそっくりながら性格は対照的な、エースピッチャーの青山康一とセンターの健一という双子の存在が…。少年たちのひたむきさに惹かれつつ、その強さの謎に迫る、ハートフル・エンターテインメント。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。第29回メフィスト賞を受賞した『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
174
道産子作家小路さんの珍しい?と思われるスポーツ小説でした。スポーツといっても根性MAXではなく、やはり小路さんらしく家族をテーマに健やかに、そして爽やかに話を進めてくれています。正直、野球の記述は‘データ野球’をモチーフにしているからか、場面によっては若干無理を感じなくもありませんでしたが、ソコは得意のファミリー感動ストーリーでキレイにまとめてくれています。高校野球が舞台で、甲子園を目指すがテーマなのにそれ以外の部分が気になって仕方がない展開(作風)はさすが小路さん作品かなと。すぐに続編に突入します! 2014/06/09
紫 綺
123
出尽くした感のあるモチーフ、野球。絡めた要素が奇抜なせいか、小路さんの筆力のせいか面白い!!だが、盛り沢山の序章的に、?いっぱいで終わってしまった・・・。つづくとは予想外。続編の予想外結末を大いに期待する。2013/02/19
myunclek
103
オリンピック期間中につき集中出来ない読書。手にしたこの本の中身も薄っぺらだったような。甲子園を目標にする爽やかな球児の青春物語ってな訳では無く、何だか重たいものが漂う。甲子園出場を決め、さて続編。どこに向かうのやらこの物語(^○^)2016/08/16
Mumiu
69
なんか今年は部活系多目な気がします。もうひとつの「ナモナキラクエン」。もちろん、甲子園目指すよ!がメインで動いていくお話ですが、この子たちの絆とか、甲子園を目指すきっかけなどは間違いなくラクエンを自分たちで掴めという感じです。高校野球のリアリティは薄い感もあるけれど、それを補って余りあるお話。途中不穏な人物も出てこなくはないですが、小路さんだからたぶんだいじょうぶ♪恵まれた境遇になかったかもしれないけれど、子どもたちは前を向いて進んでいる。彼の作品の大人が全力で子どもたちを守るという姿勢がすきです。2013/08/18
ここまま
68
野球、謎とき、絆、愛・・・さまざまな要素がバランスよく盛り込まれたいい物語だった。あ~楽しかった。野球のことは全く興味もないしわからないのだけど、そんな私も十分ひきつけられて楽しめる力のある本だった。やはり物語はアレですね、根底には「愛」がないといけません。愛をたくさん感じたこの物語、続編も図書館に入荷しました。さあ、いよいよ甲子園だ!2014/05/09