出版社内容情報
《内容》 現在,前立腺癌の早期発見のためにもっとも効率がよいとされているPSA検診。本書は,効果的かつ正確なPSA検診を行うための手引き書であり,一般内科医にも役立つ一冊。
《目次》
前立腺癌スクリーニングAtoZ
I 前立腺癌スクリーニングのための基礎知識
●前立腺肥大症と前立腺癌
・前立腺の解剖
・前立腺の生理
・前立腺の組織構築
・前立腺肥大症
・前立腺癌
・前立腺肥大症と前立腺癌のスクリーニングに関する最近の話題
●前立腺癌の疫学・危険因子
・前立腺癌の疫学
・前立腺癌の危険因子
・今後の展望
●わが国における前立腺癌検診の歴史
・検診のはじまり
・検診方法の変遷(PSA・系統的前立腺生検など早期癌診断率向上への取り組み)
・前立腺癌検診の普及
・PSA検診時代の問題点(PSA測定キット間隔差)
・前立腺癌検診の有効性に関する研究の歴史
●検診で発見される前立腺癌の特徴
・PSAスクリーニングで発見される前立腺癌の特徴
・PSAスクリーニング暴露率と前立腺癌臨床病期の関係
・最近のPSAスクリーニング・多数カ所生検での発見癌は“臨床的に重要な癌か?
●腫瘍マーカー-PSAを中心に
・血清PSA測定の意義
・PSA蛋白の特性
・前立腺癌とPSA
・血中PSAの分子形態とキット間格差
・血清PSA測定における注意点
・PSA関連マーカー
・PSA以外の腫瘍マーカー
●病期診断のための検査法-CT,MRI,骨シンチグラフィー-
●前立腺癌の治療方法
・前立腺癌の臨床病期分類
・各種治療の特徴
●前立腺癌患者の予後
・生存率-ステージ・分化度別生存率 他
●前立腺癌スクリーニングに関するコンセンサス
・海外のさまざまな機関が公表している勧告・ガイドライン
・本邦における前立腺癌検診の現状とガイドライン 他
●前立腺癌スクリーニングの研究結果と進行中の研究
・PSAスクリーニングの普及と前立腺癌死亡率の変化
・PSAスクリーニングの介入研究結果・進行状況
・わが国における前立腺癌検診の有効性評価に関する研究 他
II 一次スクリーニング
●住民検診・人間ドック検診における前立腺癌スクリーニング検査の流れ
・一次スクリーニングの実施主体と費用
・わが国における一次スクリーニング形態
・住民検診におけるスクリーニングシステムと検査データの流れ
・人間ドックにおけるスクリーニングシステム 他
●前立腺癌検診の適応年齢,PSA基準値,再受診間隔
・適応年齢
・一次スクリーニングにおけるPSA基準値の設定方法 他
●前立腺癌検診の費用対効果比
●一次スクリーニング受診者へのインフォームド・コンセント
・癌検診におけるインフォームド・コンセントの必要性 他
●今後の展望
・世界と日本の研究結果によって,前立腺癌スクリーニングの評価はどう変わるのか? 他
III 二次スクリーニングから治療選択へ
●二次スクリーニングでの初期検査-PSA・TRUS・DRE-
・PSA測定
・DRE
・TRUS 他
●前立腺生検の一般的な適応
・一般的な適応
・生検適応における臨床的因子のimpact 他
●生検における麻酔の方法
・アプローチからみた麻酔方法 他
●生検方法-経会陰的と経直腸的,本数の設定
・経直腸的前立腺生検
・経会陰的前立腺生検
・前立腺生検の合併症
・経直腸的か経会陰的か 他
●生検の施行に関するノモグラムの活用
・ノモグラムとは何か?
・ノモグラムの読み方
・欧米における生検に関するノモグラム
・日本における生検に関するノモグラ厶-CHIBA program 他
●陰性例のフォローアップと再生検の適応・方法
・生検陰性例への対応
・生検陰性例のフォローアップ間隔
・再生検の適応 他
●生検標本における病理診断の問題点
・病理診断の方法と検体取り扱い上の注意点
・前立腺癌の組織学的分類
・前立腺癌の組織学的分類上の問題点
・前癌病変とその所見への対応
・生検標本で知りえる情報の限界
・系統的6カ所生検とその問題点
・癌陽性率を高める方法 他
●生検所見を考慮した前立腺癌の治療選択
・前立腺癌の治療選択に関与する因子
・前立腺生検の治療選択への意義
・生検所見の手術療法への影響
・生検所見の放射線治療への影響
・生検所見のホルモン療法への影響
・生検所見に基づく無治療経過観察の症例選択 他
IVスクリーニングの実例とピットホール
●前立腺癌と診断された近親者がいる
●60歳代のPSA 3~4ng/mlの場合
●前立腺癌検診でPSAが高値(グレーゾーン)といわれた
●80歳代のPSAグレーゾーン症例
●前立腺に硬結があるがPSAは正常といわれた
●前立腺肥大症でアンチアンドロゲン剤を内服中
●PSAが上昇傾向であるが経過観察している症例
●突然PSAが上昇した
●3回目の生検で癌が検出された 他