出版社内容情報
《内容》 手術に必要な婦人科解剖を詳細に検討し、従来の術式を比較検討して再構築した新しい術式の手技を、精緻な写真や著者自身が描いたイラストを用いて詳しく解説。
《目次》
I. 広汎子宮全摘術について
A. 広汎子宮全摘術に関する一般的事項
1. Latzkoと岡林術式
2. 骨盤臟器の位置および方向の表現用語
3. 頸横靱帯
4. 基靱帯
B. 広汎子宮全摘出術の問題点
1. 基靱帯と仙骨子宮靱帯の矛盾
2. 組織間隙“腔”について
3. 筋膜と神経
II. 子宮頸癌根治手術に関する骨盤内解剖
A. 骨盤結合組織の解剖
1. Suspensory system
2. Supporting system
a. Supporting system 幹部
i . 臍動脈索板
ii. 基靱帯
(1) 頸横靱帯(Mackenrodt)
(2) 側方靱帯
(3) 膀胱神経血管束
b. Supporting system 翻転部
i . Supporting system 尾側翻転部
(1) 岡林膀胱子宮靱帯後層
(2) 膀胱神経血管束inferior hypogastric wing
ii. Supporting system 頭方翻転部，尿管板
c. Supporting system 筋膜
d. Supporting system 内の血管走行と分布
e. Supporting system 内の神経走行と温存対策
i . 骨盤神経叢の温存
ii. 骨盤神経叢膀胱枝の温存
f. 尿管の走行
B. 骨盤腔の分類
1. 膀胱側腔
2. 直腸側腔
a. 直腸側腔尾方室
b. 直腸側腔頭方室
i . Latzko直腸側腔
ii. 岡林直腸側腔
3. 腟側腔
4. 4つの腔の発掘意義
5. 直腸子宮間隙と膀胱子宮間隙
C. リンパ系の解剖
D. 腟傍組織
E. 子宮傍組織の分類
III. 手術の実際
A. 術式の種類
B. 手術に関する準備事項
1. 手術前処置
2. 使用器具
3. 術式の特徴
4. 術式の順序
C. 手術手技
1. 開腹と子宮の把持
2. 子宮円靱帯の離断
3. 腸骨窩腹膜の切開と剥離
4. 膀胱側腔の開放
5. Latzko直腸側腔の開放
6. 骨盤リンパ節郭清
a. リンパ節郭清の基本的な考え
b. リンパ節郭清の順序
c. 外腸骨動静脈の腸腰筋からの分離
d. 外腸骨動脈血管鞘の剥離：外腸骨浅部リンパ節の切除
e. 外鼠径上リンパ節の切除
f. 外腸骨静脈血管鞘の剥離：外腸骨深部リンパ節の切除
g. 内鼠径上リンパ節の切除
h. 閉鎖リンパ節切除
i. 内腸骨リンパ節の切除
j. 傍大動脈リンパ節と総腸骨リンパ節の切離
k. 超音波破砕器による郭清
l. 癒着転移リンパ節の切除
7. 頸横靱帯Mackenrodtの切除
a. 頸横靭帯起始部の郭清と分離
b. 頸横靭帯筋膜の分離と切離
c. 頸横靱帯起始部における子宮動脈の分離，切離
d. 深子宮静脈の分離と結紮
8. 後方操作
a. 岡林直腸側腔の展開
b. 尿管トンネル入口部の試掘
c. 骨盤漏斗靱帯の切離
d. ダグラス窩腹膜の切開と直腸子宮中隔の分離
e. 仙骨子宮靱帯／直腸子宮靱帯の切離
9. 前方操作（膀胱子宮靱帯の切離）
a. 膀胱剥離
b. 腟側腔の発掘と膀胱子宮靱帯前層の切離
c. 前部尿管の遊離
d. 膀胱子宮靱帯後層の切離
e. 深子宮静脈の切離（頸横靱帯の最終処理）
f. 自律神経の温存
10. 直腸腟靱帯の切離
11. 腟傍組織の切離
12. 腟切断と腟断端閉鎖
13. 腹腔および骨盤腹膜の処理
D. 子宮頸部III期癌における基靱帯の切離
