出版社内容情報
《内容》 社会の変貌とともに,受診者の増加が著しい児童・思春期対象の精神科。精神科と小児科にまたがる児童期の精神疾患の基本的な診断・評価基準や治療体系を中心にわかりやすく解説。
《目次》
I 総論
1 子どもの診察・診断の仕方 齊藤万比古
はじめに:子どもの心の医療とは
子どもの精神科的診察
子どもの示す症状
子どもの精神疾患の診断
まとめ:診断から治療へ
II 広汎性発達障害
1 自閉症障害(自閉症) 太田昌孝
はじめに
定義と症状
自閉症の診断と鑑別
思春期から成人期への経過
自閉症の認知障害
神経生物学的障害と原因
自閉症の治療
2 アスペルガー症候群・ADHD 宮本信也
アスペルガー症候群
注意欠陥/多動性障害(ADHD)
III 器質性疾患
1 てんかん 兼本浩祐
てんかんと児童期の高次大脳機能障害
てんかん発作が目立たず高次大脳機能障害が主訴となりうるてんかん症候群
てんかんにより引き起こされた精神症状・高次大脳機能障害についての理解のために当該てんかん症候群の知識が必要であると考えられる病態
てんかんにより引き起こされた精神症状・高次大脳機能障害についての理解のために当該てんかん症候群の知識が有用であると考えられる病態
抗てんかん薬と精神機能
2 トゥレット症候群 斉藤卓弥
はじめに
チックとは
トゥレット症候群
治療
おわりに
IV 気分障害および内因性精神障害
1 児童期統合失調症 安田典子,廣常秀人,福永知子,武田雅俊
はじめに
疾患概念の混乱とその変遷
診断基準と臨床像
疫学
病因
病理と臨床検査
鑑別すべき疾患および状態像
経過と予後
治療
その他
おわりに
2 児童・思春期のうつ病 傳田健三
子どものうつ病は見逃されてきた
子どものうつ病に関する一般的事項
わが国の小・中学生に抑うつ傾向はどのくらい存在するか
どんな症状を呈するのか
子どものうつ病の治療
子どものうつ病に対するSSRI禁忌措置の問題について
V 神経症性障害
1 児童・思春期の解離性同一性障害 柴山雅俊
はじめに
解離性障害診断の困難さ
解離の症候学
解離の主観的体験
児童期・思春期の解離性同一障害
おわりに
2 チック 小林隆児
診察のポイント
分類
鑑別診断のポイント
治療のポイント
経過と予後
3 睡眠障害(夢中遊行,夜尿症含む) 増子博文
診断
治療
4 選択性緘黙・分離不安 松田文雄
選択性緘黙(elective mutism,selective mutism)と受診経緯
選択性緘黙診断のポイン
成因と特徴
合併症
選択性緘黙治療のポイント
予後について
分離不安(小児期の分離不安障害)とは
VI その他
1 反抗挑戦性障害と行為障害 原田 謙,今井淳子,酒井文子
はじめに
リスクファクター
リスクファクターから破壊的行動障害に至る経過
ODD・CDの治療
おわりに
2 コミュニケーション障害 田中康雄
言葉の発達とコミュニケーション障害
表出性言語障害
受容-表出混合性言語障害
音韻障害
吃音症
養育者に対して
3 不登校 本城秀次
はじめに
わが国における不登校概念の展開
典型的な登校拒否(不登校)の特徴について
登校拒否(不登校)……まとめ
4 児童虐待の現状と介入・援助 森田展彰
児童虐待の現状
虐待事例 特に親についての評価と援助
虐待された子どもの心理的ダメージの評価と治療・援助
児童虐待の対策における課題
5 子どもの自殺 高橋祥友
最近のわが国の自殺に関する統計
自殺の危険因子
家族の病理
群発自殺
まとめ
6 小児科とのコンサルテーション・リエゾン精神医学 稲垣卓司
はじめに
小児科とのコンサルテーション・リエゾン精神医学とは
診察のポイント
診断のポイント
治療のポイント
日ごろから気をつけておきたいこと
今後の課題