出版社内容情報
《内容》 診療録の書き方、プレゼンテーション(症例報告)の方法、コツを、初めての時にもきちんと行えるように、実例をあげながら詳細かつ具体的に解説。各章の最後には「まとめ」とCBTを意識した問題を掲載し、実践に即対応できる構成。
《目次》
基礎臨床技能シリーズ 2
診療録の記載の仕方とプレゼンテーションのコツ
I.診療録とは 酒巻哲夫
■診療録は何のために書くのか
診療録の管理について
診療録の表紙作成は管理の第一歩/日々の診療と管理について/保管と貸し出しについて
わかりやすく信頼性のある診療録,質の高い診療
記録の質について/診療録を書くことは診療のプロセスを助け,質の高い診療につながる
診療録はどのように活用されるか
チーム医療/インフォームド・コンセントと診療録の開示/臨床研究の資料としての診療録
■診療録には何を書くのか
診療録表紙にある患者さんの基本情報
患者さんを特定するための情報:氏名,性別,年齢,生年月日,住所/連絡先を特定するための基本情報:自宅の電話番号,職場の電話番号/保険診療に必要な情報:医療保険と公費負担/傷病名:開始日,終了日と転帰
診療の記録はどのようなものか
記載されたことのみが患者さんに提供された医療と判断される
書いてはならないことはあるか
■これからの診療録はどうなるか
診療録の変化の道程
これから問題となること
カルテ開示に耐える記録/保存期間の延長と記録の内容/記載者の変化
電子化された診療録(電子カルテ)
■診療録と法律
なぜ診療録を書かなければならないのか
医師の義務と診療録
守秘義務と診療録開示
証拠保全
■診療録と情報開示
診療録の開示とは
診療録開示の手順
開示の申請者について
開示において注意すべきこと
開示請求を受け付けることについての広報
診療録記載についての教育
レセプトの開示とは
インフォームド・コンセントとの関係
診療録を共有しながらの医療
■この章のまとめ
II.診療録を記載する 坂本浩之助,酒巻哲夫
■主訴を記載しよう
主訴とは
主訴を書こう
■現病歴を記載しよう
現病歴とは
現病歴を書こう
実際にはどのように記載するのか
記載方法
■既往歴を記載しよう
既往歴を書こう
■家族歴を記載しよう
家族歴とは
家系図を書こう
■社会歴を記載しよう
社会歴を書こう
■システムレビューを活用しよう
システムレビューとは
システムレビューを行う
■身体所見を記載しよう
身体所見の記載とは
身体所見を記載しよう
■この章のまとめ
III.POMRを使いこなそう 阿部好文
■POMRのどこが優れているのか
POMRの生い立ちと現状
POMRの基本精神
診断の過程を明確にするPOMR
医学生の教育に有効なPOMR
■問題(プロブレム)をたてよう
何が問題(プロブレム)になるか
1つの疾患の症状を複数の問題に分けることもある
問題リストができたらauditを受ける
問題の番号と日付のつけかたには決まりがある
問題は一度決めたらそれで終わり,ではない
既往歴が全部非活動性問題(inactive problem)ではない
一時的問題リストをうまく使おう
問題リストは毎日点検する
■初期計画を書こう
■毎日の記録はSOAPで書こう
SOAP形式とは
問題リストに対応させて書く
SOAP形式を工夫する
経過一覧表
■退院時要約はとても重要だ
■この章のまとめ
IV.病名をつける 阿部好文
■病名をつける
病名とは
病名の記載
病名の変更
国際疾患分類(疾病および関連保健問題の国際統計分類)ICD
V.上手なプレゼンテーションを身につけよう 阿部好文
■なぜプレゼンテーションが大切なのか
■症例検討会で用いる正式なプレゼンテーション(formal case presentation)の仕方
主訴/現病歴/システムレビュー/既往歴・常用薬・アレルギー/家族歴/社会歴と嗜好/身体所見/検査所見/まとめと考察
■チーム回診で使う短いプレゼンテーション
■トレーニング法
■プレゼンテーションべからず集
早口にならないようにする/単調にならないように,メリハリをつけて/発音は明瞭に/途中で遮られることを恐れない/無意味に長いプレゼンテーションをしない/省略できるものまで言わない/明らかでないことはそのまま述べる/プレゼンテーションの目的を忘れるな
■この章のまとめ