感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
89
私のような中途半端な知ったかぶりには、「染色体、DNA、遺伝子、ゲノム、何が違うの?」「遺伝子組換え食品はダメでゲノム編集食品がOKなのは何故?」という本質的な質問を向けられ、自分の無知蒙昧を思い知らされる。高校生物教科書を執筆されている著者だけに、進化、遺伝、DNA鑑定、ゲノム編集など生命科学に関わる大切なことを、柔らかい語り口で教えてくれて、とても勉強になった。尤も、天皇家の家系、エジプト王朝の歴史、データの注意点などの挿話が少し冗長で、「小説みたいに楽しく読める」を目指す必要はなかったかもしれない。2021/08/22
たまきら
45
いやあ面白かった。日本の法律で近交係が1/16と決められている、というのは知りませんでした。国によってはいとこ同士の結婚がだめだったりするけれど、それはやはり係数が決められているんだろうか?とさらに調べてみたくなったり。学者さんアルアルな数字に則って考えるやり方は小気味よく、同時に殺伐としていますが、ワクチンの章はワクチン反対派の気持ちも理解されていて、ああ、自分もこういう考え方なんだなあ…と思ったり。古代エジプトの家系図は、この間娘が調べていたために記憶に新しく、大変面白かった。雑学が増えて満足満足。2021/09/22
チャーリブ
42
大学新入生向けの生命科学講座をまとめたもの。「小説みたいに楽しく読める」とあるように、気軽に読める生命科学の入門書になっています。進化や遺伝の話が中心ですが、内容はどちらかというと導入的な話がほとんど。興味がある人はもっと専門的な本で勉強してねということですね。ちょっと興味深かったのは、アイスランドの人たちのミトコンドリアDNAは40%がノルウェー由来なのに対して、Y染色体のDNAはなんと70%がノルウェー由来だとか。そう、ヴァイキングの話なんですが、あまり小説みたいに読みたくない話。2023/08/11
hukkey (ゆっけ)
24
DNAや遺伝、細胞の研究がどのように人間の健康とか医療に関わってくるのかが学べる講義。各章の最初の説明が、難しさ故に深追いせず読み進めてほしい意図があるかもしれないけど、自分の解釈が定着する前に先に進められて素人目線では若干理解しづらく感じた。けれど遺伝から紐解く歴史上の近親結婚だとか、DNAが解き明かすエジプト王朝ミイラの謎は、何だかミステリー小説みたいに面白くて読み耽っていた。覇権を争っても結局すぐ滅びる理由が腑に落ちる。生物を取り巻く環境とか身近なワクチンや食品も取り上げられていてとても興味深かい。2022/05/10
まいこ
14
小説というより教科書のようだと思いながら読んだら、著者さんは教科書の執筆者だった。2021/09/01