内容説明
家族からもクラスメイトからもぞんざいに扱われ、生きる意味を見失っている少女・千花。絶望に打ちひしがれていたある雨の日、不思議な少年・留生が現れ傘を差し出してくれた。「―やっと見つけた」という言葉とともに…。人との関わりを極度に恐れる千花に寄り添い、彼女の閉ざされた心をその優しさで少しずつ溶かしていく留生。しかし二人の出会いは、気が遠くなるような年月を経た、悲劇的な宿命を背負っていた―。今最も注目される作家・汐見夏衛が永遠の愛を描いた、号泣必至の青春小説!
著者等紹介
汐見夏衛[シオミナツエ]
鹿児島県出身。高校の国語教師として働くかたわら、休日には小説を書いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アリス
41
再読。 家族や友人を大切にしようと考えさせてくれる本になった。2022/07/30
ゆなほし
40
なんてタイトルだろう。こんなにも深い愛のこもった言葉を、一体どんなかたちで伝えたのだろう。そう思いながら読み進めると、主人公千花のあまりの不遇さにまず心が引き裂かれるようだった。生まれつき顔に醜いあざがあり、世界を遮断してきた千花。そんな彼女に、ある日突然綺麗な男の子が「やっと見つけた」と声をかけてくる。嘘みたいな状況、不思議な男の子留生の不可解な言動、目を背けたくなる程辛い千花の世界、留生に少しずつ解きほぐされる千花、そして突然消えた留生…最後に全てが繋がりタイトルの意味が明かされた時、涙が止まらない。2021/11/04
茉莉花
37
家族やクラスメイトからぞんざいに扱われ、生きる意味を見失っている少女・千花。絶望に打ちひしがれていたある雨の日、不思議な少年・留生が現れ、傘を差し出してくれた。「やっと見つけた」という言葉とともに…。 2021/04/11
ふゆ
33
命とはなんなのか、ということを考えさせられる作品でした。誰からも必要とされない・認めてもらえない、下には下がいる。誰しも人間であれば、そんなことを思ってしまうことがあると思います。この作品は、家庭環境や自分の容姿、姉の出来の良さのせいで「出来損ない」と思う高校生が主人公です。主人公は生きることに希望を見出せないでいたある日、謎の少年に出会います。主人公の名前さえも知らないくせに「ずっと探していた」「間に合ってよかった」……こう話す少年。一体彼は誰なのか。彼はなぜ主人公を探していたのか。大変面白かったです。2023/03/16
しお
22
とにかく号泣。千花の気持ちにすごく共感できたし、留生の言葉一つひとつが胸に刺さった。2人が背負った運命はあまりにも過酷なものだったけど、最後に救われて本当によかった。「たとえ本当に誰からも必要とされていないとしても、生きてていいんだよ」「ちゃんと自分の人生を、自分のために生きてよ」2019/09/16