内容説明
代々暗殺業を営み、「災いを呼ぶ魔女」と忌み嫌われる少女・アリシアは、突如舞い込んだ暗殺の仕事を引き受けた。―実は暗殺など、一度もしたことがないのに。しかもアリシアが狙うべき相手とは、「幸いの王」と呼ばれ、不死と名高い王太子・ディカイユで…！？暗殺少女×不死の王太子―不幸と運命が奏でるラブファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす＠灯れ松明の火
46
どんな災いからも生き延びられる幸いって言う事は、それだけ災いと遭遇していると言う事で。災いの魔女と呼ばれる災いは、それだけ沢山の幸いと遭遇しているからで。【WONDER wonderful】がオールタイムの中でもかなり好きな話に入る川上さん。でも、どうやら短編でさっと纏めるよりは冗長一歩手前くらいの所でのんびりと話しが続く方が私には性にあっているみたい。サクサクっと話しが進んで折ってしまったので、ちょっと物足りないです。まずはお友達の二人が微笑ましい。不器用な二人のとびっきり不幸でとびっきり幸いな恋の物語2015/09/02
燈真
12
まぁものの見事にボロッボロの主人公たちです。不運もここまでくるといっそあっぱれというかなんというか。ならざるを得なかったとはいえ、強いカップルは好物です。不運故の寂しさが、互いの存在できれいに埋められる、その様がすごく丁寧で美しくて、心がじんわりとしました。噂って怖いね。ディカイユの『そこからか！』には思わず噴き出した。そりゃ、相手は孤独な山育ちだよ、期待しちゃいけないよ。一冊完結ですが、叶うなら後日談希望。2014/08/26
紅羽
9
暗殺業に身を置く「災いの魔女」と呼ばれるヒロイン。そんなヒロインに舞い込んだ仕事は「幸いの王子」と呼ばれる王太子の暗殺。甘さ控えめのスリリングなストーリーで面白かったです。後にアリシアとディカイユが自身にこれまで遭遇した不幸対決が愉快でした。より不幸な方が負け…なんですかね(笑)何度も不幸体質によって傷だらけになりながら成長していく二人。最後はそれが報われる形で終わったので後味も良く、サクサクと読了出来ました。2015/09/09
ゆり
8
不幸を呼び寄せてしまう体質で苦労性で不器用で、とても心優しい少女が、片割れに出会う物語。尋常ではない苦労をしているのに押し寄せる不幸にあきらめモードで冷静に対応している姿が妙におかしみをさそって、いややっぱりかわいそうなんですけれど。アリシアとディカイユがお互いの育ちや立場を軽く乗り越えて親しくなっていく様が微笑ましかったです。ソリスとエネシアがよいキャラしているのでもっと活躍の場がほしかった！少女小説らしい甘さは最後までほとんどなかったな…続編読みたいです。2014/09/12
ASKA
7
ヒーローヒロインともに傷だらけではあるんですが、からっと気持ちの良いかんじで爽やかに読めました。二人とも強い。そしてすごく優しい。恋愛になりそうでいまひとつならなかったのでそのへんも読んでみたいなぁ。2014/09/28
