内容説明
城から隔離された塔で、閉じ込められているかのように暮らしている忌み姫・オルウェンと、その執事・クラウス―彼らには、他人に知られてはいけない秘密の役目があった。オルウェンは異界へとつながる“扉”を胸元に宿し、クラウスは扉を開く“鍵”を左目に宿す。契約によって結ばれた主と僕として、異形の存在を扉の向こうに封じるため戦い続けてきたふたり。しかしその関係が次第に揺らぎはじめて…!?主従恋愛ダークファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや
7
扉と鍵っていう厨二心をくすぐる設定(笑)のわりに物足りなかったなぁ。ダリオンの設定がいまいち・・・「まれに異界から現世にあらわれる」って・・・どこぞの深淵から現れるとか、闇の中から現れるとか、そんなこともなく伝令の「ダリオンがあらわれた」的な一言でヒロインとヒーローは召集されちゃうんだもんね。どこから現れたの?某巨人みたいにドーンピカーンっていきなり現れたの?(笑)登場人物が少なかったのはよかったな。名前も憶えやすいし。続編ありそうだなぁ。話はいくらでも広げられそう。でも出ても買うかどうかは・・・2013/05/14
でんか
6
蔵書整理で再読中。きらいではない。文章は普通に読みやすい。設定も、「扉」と「鍵」の主従コンビというテンプレ&王道展開。二人だけの閉じられた関係だったところに、一石が投じられ、やがて事件がってパターン。ヒロイン、姫なんだけど、ちょい自己評価低めで若干ネガ思考。ヒーローはヤンデレ臭が限りなくするが今巻では明らかではない。そして、シリーズ化前提なのか、全くこの本では何も問題は解決してないという物語。端折って詰め込まれるよりはよかったかもしれないと前向きに考えてみよう。主従ものは好きなので、嫌いではない一冊です。2017/10/29
ゆん
4
扉と鍵…眈々と課せられた任務をこなす二人だけの世界に、不意に訪れる不協和音。なかなか良かったです。続き読みたいなぁ…まだまだ書けるよねぇ。お兄ちゃんのデレぶりとか、ヒースとのやり取りとか…。2013/06/04
雪璃
4
異界の『門』と『鍵』ってわりとよくきく設定だけど、好み。オルウェンが男言葉で話すのが、個人的に好き。続編出て欲しいな。結局何も解決していないので。2013/04/25
菊地
4
ノベライズ版クリムゾン・エンパイアの時に見られたような「降り積もった想いが溢れる」愛が情緒深く描かれている。この作者さんのこういった描写力には安定感があり、味わい深い。というか執事デレ過ぎだろ……ただ、そういった恋愛模様以外の動きにはやや乏しく、ストーリー的な面白味はやや物足りない。異界周りの設定が活かされるようになるともっと楽しめると思うだけに、次巻に期待……したいけど、何せアイリスだし、前作が尻切れだったし、ちゃんと続編出るか少し不安。まあ続きでも新作でもなるべく早く読みたいものですね。2013/04/21