内容説明
古典作品を的確に読むための語法・文法研究。平安王朝の散文学・韻文学を対象に古代の語法・文法の本義に迫る。自発の助動詞「る・らる」の「可能」への用法拡張、時の助動詞「き」「けり」及び完了の助動詞の本義、接続語「かくて」「さて」の文脈形成上の機能、同格助詞「の」の構文的機能などについて、また古代和歌にみる文法や修辞が、いかに和歌言説を形成する上で機能しているかを追究。
目次
前編 語法・文法研究(不可能の自覚―語りと副詞「え」の用法;「き・けり」論;王朝女流日記の表現機構―その視点と過去・完了の助動詞 ほか)
中編 散文体と韻文体と(勅撰和歌集の詞書―「よめる」「よみ侍りける」の表現価値;助動詞の複合「ならむ」「なるらむ」―散文体と韻文体と;かな散文と和歌表現―発想・表現の位相)
後編 和歌言語の研究(『古今集』の文法―和歌の表現機構と構文論的考察;『新古今集』の文法―和歌の構造と構文論;和歌解釈と文法―語法と構文を中心に ほか)
著者等紹介
糸井通浩[イトイミチヒロ]
1938年生、京都府出身。京都大学文学部卒。日本語学・古典文学専攻。国公立の高校教員(国語)を経て、京都教育大学・龍谷大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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