内容説明
晦渋で難解な作品とされてきた『虚構の彷徨、ダス・ゲマイネ』『二十世紀旗手』収載作品に積極果敢に挑んだ論考9篇を含む、力作19篇を収録。
目次
著書と収載作品 新選純文学叢書『虚構の彷徨、ダス・ゲマイネ』、版画荘文庫『二十世紀旗手』他(『虚構の彷徨、ダス・ゲマイネ』の「イミテエシヨン」原理;さすらう虚構の方法意識―「虚構の彷徨」;太宰治「道化の華」;「狂言の神」ノート;「虚構の春」が紡ぐ個性と類型;「ダス・ゲマイネ」から;『二十世紀旗手(版画荘文庫4)』
太宰治「二十世紀旗手」論―置換と数詞の修辞的世界
「喝采」論―語り手のオーバーライド
「魚服記」という物語/性的虐待という罪)
作品論(太宰治「一問一答」論―神という主語)
作品とその生成要素(「惜別」と『大魯迅全集』;「惜別」と『大魯迅全集』―方法としての「孤独者」;「惜別」と実藤恵秀「留日学生史談」)
資料紹介(太宰治「玩具」材源考―ボードレール受容と詩への志向;太宰治アンケート回答二篇「貴方は狙はれて居る」と「誌上忘年会」;太宰治ビブリオグラフィー研究参考書 二〇〇九~二〇一〇)
作品評釈(「二十世紀旗手」評釈(五)
「HUMAN LOST」評釈(六))