出版社内容情報
文字をもたない日本人が自分たちの言葉を書き始めた時どのようなことが起きたのか。様々な資料を具体的に検討する古代語の入門書。文字をもたなかった日本人が、漢字というものを知って、本来は中国語を記すためのものであったその字を使って自分たちのことばを書き始めたとき、どういうことが起きたのか――。古代日本語の書記法の特質を解明することに努めるとともに、さまざまな書き方で記された資料を順次取り上げ、具体的に検討している。
要するに、本書は誤りなく「古代日本語をよむ」ことを欲する人々に対し、その目指すところに到達する道筋を示すべく著された入門書である。
まえがき
本書の編集方針について―初出一覧
各章扉所載の図版について―各資料の概説
第一章 話すままに書かれたもの―仮名文を読み解く
1 仮名文書の成立以前
2 仮名文書の成立以前 続―正倉院仮名文書・乙種をめぐって―
第二章 語られるために書かれたもの―宣命書きを訓み下す
1 「宣命体」攷
2 文を綴る、文を作る
第三章 読まれるように書かれたもの―漢文を和文に移す
1 書かれたものから、語られたものへ
2 話すことばへ
第四章 日本語は漢字でどう書かれているか―漢字を和語でどうよむか
古代日本語をよむ
注
あとがき
奥村悦三[オクムラ エツゾウ]
昭和23年(1948)大阪市生。
京都大学大学院文学研究科博士課程中退。
神戸松蔭女子学院大学、京都光華女子大学、京都府立大学等に勤務。奈良女子大学名誉教授。
主要論文
「事実と解釈」、『国語国文』五二巻二号(昭和58年)
「和語、訓読語、翻読語」、『萬葉』一二一号(昭和60年)
「話すことと書くことの間」、『国語と国文学』六八巻五号(平成3年)
「書くものと書かれるものと――日本語散文の表現に向かって」、『情況』二期七巻五号(平成8年)
「文学から、ことばへ」、『国文学』四四巻一一号(平成11年)
「文字の連なり、ことばの繋がり」、『国語文字史の研究』九(平成18年)
「語彙史の語へ」、『国語語彙史の研究』三二(平成25年)など
内容説明
古代日本語とその世界への扉をたたく。文字をもたなかった日本人が自分たちの「ことば」を書き始めたとき、どのようなことが起きたのか―“読む”“訓む”ための道しるべ。
目次
第1章 話すままに書かれたもの―仮名文を読み解く(仮名文書の成立以前;仮名文書の成立以前 続―正倉院仮名文書・乙種をめぐって)
第2章 語られるために書かれたもの―宣命書きを訓み下す(「宣命体」攷;文を綴る、文を作る)
第3章 読まれるように書かれたもの―漢文を和文に移す(書かれたものから、語られたものへ;話すことばへ)
第4章 日本語は漢字でどう書かれているか―漢字を和語でどうよむか(古代日本語をよむ)
著者等紹介
奥村悦三[オクムラエツゾウ]
昭和23年(1948)大阪市生。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。神戸松蔭女子学院大学、京都光華女子大学、京都府立大学等に勤務。奈良女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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