内容説明
戦争末期から敗戦後にかけての太宰作品を論じる。さまざまな新見の提示された、「作品とその生成要素」「作品論」「アンケート回答」25篇、中村貞次郎・壬生男両氏の「回想記」と「資料紹介」3篇、「二十世紀旗手」「HUMAN LOST」の精緻な評釈等を収載。
目次
作品とその生成要素―「惜別」から「人間失格」まで(「潔白の独立親和」―『惜別』の成立と小田嶽夫『魯迅伝』;「竹青」と田中貢太郎訳、公田連太郎註『聊斎志異』;『お伽草紙』の「瘤取り」と童話;『お伽草紙』の「浦島さん」と童話;溺れる醜男―「カチカチ山」と童話;『お伽草紙』の「舌切雀」と童話;『パンドラの匣』の「民衆」;「トカトントン」再論―保知勇二郎書簡との関係から;「ヴィヨンの妻」と佐藤輝夫訳『大遺言書』他;「斜陽」と「桜の園」;“灰色の震え”と倍音の響き―太田静子のノートと太宰治「斜陽」;「斜陽」一面―作品生成要素としての聖書;「渡り鳥」と堀口大学訳ヴァレリイ『文学論』―笑いと切実;「人間失格」と堀井梁歩訳『ルバイヤット異本留盃耶土』;「人間失格」と『上田敏詩集』)
作品論
アンケート回答
回想記
資料紹介
作品評釈