内容説明
天正5年(1577)に来日した西洋人・イエズス会士ジョアン・ロドリゲスが著した『日本大文典』に新しい知見を提示する。1604年に長崎で出版した『日本大文典』は日本語文典の白眉であり、同書は室町時代後期から江戸時代初期の日本語の実態をよく伝える資料として大いに活用されている貴重な文献である。本書は、同時代に中南米からアフリカまで世界各地に派遣された宣教師たちが著したいわゆる宣教師文典の一つとして再評価し、西洋人・ロドリゲスがラテン語文法を規範に、日本語の特質をいかに独自の観点で把握し体系化したかという足跡を辿る。
目次
第1章 宣教師文典としてのロドリゲス日本大文典
第2章 大文典における文法記述について
第3章 大文典における語根について
第4章 大文典における中性動詞について
第5章 大文典の「条件的接続法」から小文典の「条件法」へ
第6章 大文典における「同格構成」と「異格構成」について
第7章 大文典クロフォード家本について
付章 『コリャード日本文典スペイン語草稿本』について
付 キリシタン資料について
著者等紹介
小鹿原敏夫[オガハラトシオ]
1959年大阪生れ。2013年京都大学大学院文学研究科文献文化学科博士課程(修了)。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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