内容説明
谷崎作品『卍』『蓼食ふ蟲』『蘆刈』『春琴抄』『夏菊』『猫と庄造と二人のをんな』『細雪』には、関西方言の会話文が巧みに紡ぎ合わされて作品世界の表現が織りなされている。本書は、新進気鋭の日本語学研究者による、その作品世界を究明した労作であり、初めての本格的な学術的成果として刊行されるものである。
目次
1章 作品における関西方言の変遷
2章 『卍』初出と初版における校異について
3章 『細雪』蒔岡家・四姉妹の措辞(自称詞―『卍』を参考資料として;対称詞―谷崎の表現意図を探る;普通体と丁寧体の使い分け;「―」(ダッシュ)と「…」(リーダー)の用法
感動詞
待遇表現―尊敬語に見られる特徴)
資料 「卍」の校異(その他)