内容説明
第五回『関根賞』受賞作の増補版。源氏物語の文章表現と和歌の特質を、当時の他の和歌との比較により解明する。源氏物語の優れた文学的風景が、和歌の伝統的世界を基盤としながらも、漢詩文などから摂取された方法によって形成されていることなどを論証する。これまで疑問視されながらも解決し得なかった物語和歌の解釈についても、新しい解釈を提示する。増補編には最新の研究を収録した。
目次
第1章 物語の構想と風景
第2章 風景の形成
第3章 風景と絵画性
第4章 擬人法と叙景歌
第5章 源氏物語の和歌表
第6章 光源氏と夕顔
増補編
著者等紹介
清水婦久子[シミズフクコ]
昭和29年生まれ。昭和55年大阪女子大学大学院修士課程修了。現在、帝塚山大学人文科学部教授。博士(文学)。『源氏物語の風景と和歌』で第5回「関根賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maekoo
6
中世和歌に深い造形をお持ちの清水先生が助教授時代に平安時代の文学・語学を研究した女性研究者を顕彰する関根賞を受賞した最初の論文集で労作! これを読んだ後に先生の研究の集大成的な2014年初版の「源氏物語の巻名と和歌」を読むと中世文学での和歌の重要性も深まりますし、先生の提起である源氏物語生成論へと繋がっていきます。 この時点での清水先生の夕顔巻の和歌分析と研究初期論文が読め、宣長を含む先人による通説や定説を、引歌や本歌、古今集等やその時代の習俗に及ぶ深い分析で品格を持って鋭く批判しています。 →②2022/09/23
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