内容説明
戦争期・転向を経て確固たる形で形成された作家精神と強い自負心。その心底には「自信の無さ」「卑屈の素直な肯定」から「前例の無い見事な花の咲く」という「祈念」があった。20年来太宰の魅力に惹き付けられてきた著者が、これまであまり注目されてこなかった「太宰治の強さ」に光を当てる。大部の論考や、新資料の発掘により実証的・総体的に考察を行い、研究史に一石を投じる。
目次
1章 太宰治の強さ
2章 太宰治の転向の特異性
3章 太宰治の戦争期
4章 「花火」論―全文削除とその影響
5章 「富嶽百景」論―陽・母性・草花vs陰・父性・通俗
6章 『津軽』論―太宰治の父性と母性の問題
7章 『新釈諸国噺』論―「粋人」を中心に
著者等紹介
佐藤隆之[サトウタカユキ]
1960年、鹿児島県生まれ。1986年、千葉大学文学部史学科卒。1988年、千葉大学大学院文学研究科日本文学専攻修了(修士課程)。1993年、中央大学大学院文学研究科国文学専攻満期修了退学(博士後期課程)。現在、予備校講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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