内容説明
山田風太郎は、「見ようによっては、漱石自体が子規によって生まれたものといえる」と述べる。本書は、漱石と子規との交友に触れ、漱石と平出修の、日露戦争と大逆事件を巡る種々の作品と言動を検証し、さらに博士号辞退や文芸院設立問題も眼下に収め、国家・戦争・権力等の明治期の時代性と共に、その時代を生きた漱石の真の位相を浮彫りにした力篇であり、自ずから漱石・子規・修を中軸にした、揺籃の明治の人間群像を鮮明に活写したものとなっている。
目次
第1編 漱石と子規(漱石の談話「正岡子規」;漱石の学生時代の子規宛書簡と「京に着ける夕」;松山の漱石と子規;熊本と子規庵;ロンドンと子規庵―倫敦消息と『猫』中編自序;子規追想)
第2編 漱石と平出修(日露戦争時の漱石と修;大逆事件をめぐって;漱石と修の接触)
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- 和書
- 雲と人蔘



