内容説明
本書は、芭蕉没後の十八世紀初頭から、蕉風中興運動が本格化してゆく十八世紀後半に至る京・大坂の上方俳壇の状況を、各派俳人の交流や俳風の変遷に着目しつつ、多方面から考察し明らかにしたものである。上方の都市風俳諧で最大の勢力を誇った松木淡々の動向を中心に、江戸の洒落風俳諧が、貞門の未裔中心の京俳壇や、談林の遺風が濃厚である大坂俳壇に浸透していった様相を初めて明らかにした。
目次
第1部 京俳壇(淡々の上京;淡々の作風と流行;享保以降の貞門俳人;宋屋考―宝暦期京俳壇の展開;蕪村発句試論)
第2部 大坂俳壇(淡々と大坂俳壇;紹廉の系譜;芭蕉の受容(『師走嚢』の場合;淡々系の場合))
著者等紹介
深沢了子[フカサワノリコ]
1965年、神奈川県横浜市に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科(日本語日本文学)博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会の特別研究員を経て、現在、山梨大学、山梨英和短期大学、山梨県立女子短期大学非常勤講師。専門、俳文学
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