内容説明
若くして自死した穎才北村透谷の文学は、思想は、事を求めてただなる絶対化とその相対化の内的抗争の中にあった。その意を表するに、森鴎外訳クラウゼッツの『大戦の学理』より「抗抵」の語を配して副題とした。透谷の現代的な意味、その思想の開展状況、その文学とその原景、文体の意味などに垂鉛、その思想的総量の俯瞰を志した論著である。
目次
第1章 透谷文学の位相―思想的見取り
第2章 透谷における思想の開展
第3章 透谷文学の基底
第4章 透谷における詩と小説
第5章 透谷と古典
第6章 透谷の文体
第7章 透谷の文学的位置